ヒズブッラーに攻撃されたハリーリー派のTV局、怒りの放送再開
2008年05月14日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ムスタクバルTV、怒りの放送再開
■反対派勢力の放送局は北部での電波妨害に不満を表明

2008年05月14日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ベイルート:サアド・イリヤース】

昨日の午後4時30分、ムスタクバル・テレビ〔訳注:ハリーリー派のテレビ局〕がベイルートのキリスト教徒地区、スィンヌ・アル=フィールのベイルート・ホールから放送を再開した。同局はおよそ5日間、休止を余儀なくされていたが、新しい拠点へとスタジオ、職員、装備を移した後、再開にこぎつけた。

ムスタクバル・テレビは以前の建物が攻撃を受ける映像や、送信が切られ、放火が行われた際の模様などを報じた。局にはベイルートなど様々な地域の市民から、ヒズブッラーの振る舞いと報道を封殺しようとする行為を憤る一連の声が寄せられた。ある女性アナウンサーはこう問いかけた。「かつて〔軍国主義体制を批判する際に〕『いったい誰と戦う軍なのか』と問うたものだが、今、我々は〔ヒズブッラーについて〕こう問いかけたい。『いったい誰と戦う抵抗運動なのか』と」。

またイマード・アースィー報道局長は次のように語った。「私たちは強制されて局を閉鎖したが、再び戻ってきた。いかなる保障もないが、いかなる恐れもない。『始めに言葉があった』。私たちはこの真理を言うために戻ってきた。真実の言葉は全てに勝る。私たちは私たちの言うべきことを言い、ムスタクバル・テレビはレバノン、そしてアラブ世界に向けて放送を再開する。人々の側に立ち、自由や自由な言論、全レバノン人に真実を届ける映像を抑圧しようとするすべての人間の目の前で、真実の言葉を言うために」「ムスタクバル・テレビは容易な餌食ではない。私たちは報道人として、すべてのレバノン人、レバノンおよびアラブ世界にいるすべての視聴者に向かって言う。『私たちは言うべきことを言い、ベイルートの通りやレバノン各地を襲う攻撃に直面した人々の痛みや苦痛を放送すると決意している』と」「言うべきことを言うために、私たちはここ、レバノンの全土に留まるだろう。私たちは恐れない。今も、これからも」「私たちは休止に追い込まれた後、以前と変わらぬ見解と決意を持ってこう言うために戻ってきた。『レバノンを全体主義的で軍事主義的な体制にしようと目論むこれらすべての攻撃に屈しない。私たちは世界各地に向けて飽くことなく私たちの自由の言葉を発し続ける』」。

ムスタクバル・テレビが放映を再開したのと同じ頃、〔ヒズブッラーの〕アル=マナールや〔アマルの〕NBNといった反対派勢力の複数の放送局が、ムスタクバル潮流がレバノン北部で上記の2放送局およびミシェル・アウン将軍の有するOTVの受信を妨害したと声を上げた。ムスタクバル潮流はこのニュースを否定し、過去数年にわたってベイルート南部郊外やベカー高原で続けられている受信妨害に倣って、いくつかのケーブルテレビの配給会社がとった自然な対応に過ぎないと説明した。「この自然発生的な大衆からの反応を両テレビ局の発信者たちが自由への攻撃だとわざとらしく嘆いてみせる一方で、武装勢力がムスタクバル社のテレビ・新聞・ラジオで働くジャーナリストたちに身体的危害を加えるのを見ても彼らが眉ひとつ動かさなかったとは、泣き笑いものだ」とムスタクバル潮流の声明は述べた。

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:13880 )