娘を殺害した父親が告白「娘は自ら死を望んだ」
2008年05月12日付 E'temad-e Melli 紙


 父親による少女殺人事件を受けて、エスファハーン州司法長官はこの事件発生のきっかけをつくった人物に対して厳正に対処するよう命じた。

 他方、家族の名誉を守るために自分の娘を殺害した容疑者は、驚愕すべき自供の中で、事件の詳細を説明した。53歳のアフマドは今年オルディーベヘシュト月18日〔5月7日〕水曜日に17歳の娘を絞殺した。この男は、エスファハーン州刑事警察の捜査官の前で、娘殺害の原因となった痛ましい出来事を明らかにした。この殺人の容疑者はニュース・サイト「エブラト」で、娘の身に起きた数々の問題について次のように説明した。
7ヶ月前、私は長女をサイードという名の男と結婚させた。しばらくして、この2人の間に不和が生じていることに気づき、その不和が日増しに大きくなっていることに、私たちは心を痛めるようになった。何度も〔婿の男性に対して〕問題を解決し、娘にどうしてほしいのかはっきりするよう求めたが、何の変化も見られなかった。少し前に、祭日の贈り物を渡すために婿家族と面会しようと考えた。ところが彼らは、私たちをもてなすどころか、恥知らずにも長女との結婚を解消してはどうか、自分たちの息子は妹のファルザーネの方に興味があるようだ、などと言ってきた。

〈中略〉

そうこうしているうちに、近所の住民や知り合いの一部が事情を嗅ぎつけ、私たち家族を悩ませるようになっていった。人々は口々に噂話をするようになり、モスクへ行ってお祈りをすることさえできないほど、私たちを苦しめた。

〈中略〉

結局、長女とサイードを離婚させることになった。しかしこの2人が離婚してもなお問題は解決せず、ついにサイードとファルザーネが警察によって逮捕されるという事態へと発展した。それより前、10日間にわたってファルザーネがサイードによって略取されてしまったのだ。オルディーベヘシュト月17日〔5月6日〕火曜日、体調が優れない中、ファルザーネを引き取るために裁判所へ行き、身元を保証した上で、娘を家に連れて帰った。家に着くと、私と娘との間で激しい口論が起き、私は娘を殴り始めた。しかし娘は全く抵抗せず、ただ「私はどうすればいいの?」と言うだけであった。

どうしようもなかった。人々の非難めいた噂話のために、私はつらい状況に置かれるようになっていた。名誉が傷つき、人々の悪意に満ちた視線からは逃れられないと、私は感じた。ファルザーネのそばに座ってこう言った。「私たちがこの惨めな状況から救われるためには、お前か私かどちらかが死ななければならない」。娘は私の額に口づけをして言った。「私もこの状態を続けることはできません。もし誰かがこの世から別れを告げなければならないのであれば、私が一番適しています。お父さんが死んでも、問題が解決するどころか、他の家族もそれに巻き込まれてしまいますから。

モハンマドは号泣しながら、次のように続けた。「〔‥‥事件当日の早朝〕娘は最後にもう一度私の額に口づけをし、別れを告げた。娘は自分の手を姉に握らせ、私は前から用意していたハンカチとナイロン袋で彼女の命を奪った。娘は全く抵抗しなかった。この時、すでに家族は皆起きていて、家の隅に座っていた。娘は自殺したことにする予定だった。しかしその後、後悔が私たちを襲い、警察に通報することになった」。

〈中略〉

 ニュース・サイト「エブラト」の報道によると、以前からサイード(婿)はファルザーネに気があり、そのため彼女を略取して、誰も知らない場所に彼女を連れて行ったという。姿を消した17歳の娘の行方を追って家族は必死に探したが、結局少女が犯人から解放されて家に戻ってくるまで見つけることはできなかった。ちょうどこのとき、家族間に不和が生じ、最終的に殺人事件へと発展していった模様である。

 殺人の罪に問われている容疑者は胸が痛むような自供の中で、娘を殺した動機について、ただ家族の名誉を守るためであったと述べている。父親は長女と共に、法的な命令にもとづき刑務所に拘置されており、今後エスファハーン警察の捜査官らによる捜査が行われる予定である。

 なお、まだ高校生であったこの娘の遺体はすでに埋葬を済ませている。

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続報(エスファハーン州司法長官「今回の事件のきっかけを作った容疑者は極刑にすべきだ」)

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( 翻訳者:小野彩 )
( 記事ID:13881 )