レバノン各派の「ドーハ合意」成立、スレイマーン大統領25日選出へ
2008年05月22日付 Al-Nahar 紙

■ ベイルートが座り込みから解放され、株価は急騰
■ 事態打開の風が吹き、避暑シーズンの盛況に期待
■ 「ドーハ合意」成立で与野党の収穫と譲歩にバランス
■ スレイマーン国軍司令官、史上最も広汎な政治的合意によって第12代大統領に

2008年05月22日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

 多数派勢力と反対派勢力の「ドーハ合意」発表の公式セレモニーが、カタールの後援で行われた。その所要時間は1時間足らずではあったが、レバノンが政治上の一時代を終え、新たな時代を迎えるには十分であった。

 レバノン情勢は21日昼に一変し、夏に向けて政治、治安、経済、観光のあらゆる面で状況が好転する見通しになってきた。政治指導者たちがカタールの首都ドーハで、5昼夜にわたる帝王切開手術によって生まれた合意に署名し、この事態打開の趨勢の中では、各派の得失勘定も姿を消したかたちになった。

 ドーハ合意の条項と発表のセレモニーから伝わってくる事態打開の趨勢にレバノン国内が喜びに満たされるなか、合意の履行に向けたスケジュールの策定がただちに開始され、期限より6ヶ月遅れて25日に実施される次期大統領選出の準備が進められている。

 大統領選出は、レバノン各派の合意を後援したカタールをはじめとするアラブ諸国および諸外国の代表団を招待するため25日に延期されることになったが、偶然にもこの日は、イスラエルの占領からレバノン南部が解放されて8周年の記念日にあたる。

 ドーハ合意の取り決めに基づいてミシェル・スレイマーン国軍司令官が大統領に選出された後は、長く複雑な政治闘争が、舞台を街頭から国家機構に移して再び始まることになる。18ヶ月間にわたって続いた今回の危機によってレバノンは、宗派戦争の迷路に陥いる寸前であった。ミシェル・スレイマーン次期大統領はレバノン独立以来12人目の大統領であり、ターイフ合意以来4人目、国軍司令官から就任する大統領としては3人目、大統領不在の期間があったため前任者から地位を引き継がない大統領としてはイリヤース・アル=ハラーウィ元大統領に次いで2人目である。

 スレイマーン中将はこれまでで最も広汎な議員の合意を得て大統領に選出されると見られている。各政治勢力や国会内会派および議員としては、ドーハ合意の最初の項目を現実化して、スレイマーン次期大統領に対してその後の段階を主導するのに十分な政治力を付与するよう努めるものと見られるからである。

(後略)

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( 翻訳者:森晋太郎 )
( 記事ID:13907 )