米イラク条約にサドル派の反対デモ
2008年05月31日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ マーリキーを糾弾、サッダーム風に装わせた画像を掲げる
■ 米イラク条約に反対、イラク人数千がデモ
2008年05月31日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【バグダード:本紙】
金曜(5月30日)、ワシントンとバグダードの協議に反対するシーア派宗教指導者ムクタダー・サドルの呼びかけに、イラク国民数千が応じた。協議では、2008年以降の米軍のイラク駐留の規模が話し合われる。サドル派スポークスパーソンは、呼びかけは全国規模で行われたが、地域によっては治安軍に止められたため、デモ参加者の数は比較的少なくなったと述べた。
バグダードのサドルシティでは数千が街頭に出て最大のデモの一つとなったが、そこでは若者達が、サッダームに似せた服装を施したマーリキー首相の画像を掲げていた。
バグダード北西のカージィミーヤ地区では数百名がデモを行い、政府と占領側の安保条約に反対するイラク国民の立場を国連にアピールするサインの後で人々は拳を振り上げた。
2003年サッダーム放逐のためイラク侵攻を率先して行った合衆国は、現時点で15万5千の兵を駐留させている。ワシントンは国連から与えられた任期が切れる12月31日以降、合衆国のイラク駐留を法的に認めさせるための条約につきイラクと交渉している。
これについてサドル派は、イラクの主権を外国政府に渡す事とみなしている。その要員数万とも言われるマフディ軍に支持され、シーア派貧困層で高い人気を誇るサドルは、米軍の国内駐留についての国民投票に政府が同意するまでプロテストを続ける事を呼びかけている。
マーリキー政府内の最大シーア派政党イラク・イスラム最高評議会の党首アブドゥルアジーズ・アル=ハキームは、外国軍駐留期間の点で、条約を批判した。ネット上の声明でハキームは、イラクの国家としての主権に抵触するとの理由で、この条約における米側の要請の多くに反対というのが、国民の総意であると述べた。
金曜、首都から南東に150キロのアル=クートでは、約1200名がサドル派事務所を目指して行進した。クートのサドル派事務所長サアド・アル=マーリキーは、この条約が撤回されるまでデモが続けられるだろうと述べた。
バグダードから南に約160キロのナジャフ市では、合衆国への反対を叫びながら数百名がデモに参加した。バスラ、ナーシリーヤでも同様のデモが行われた。ナーシリーヤのサドル派事務所長、ハーリド・アル=イーサウィによれば、同様のデモンストレーションが毎週金曜に組織される予定である。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:13958 )