トプタン国会議長の上院設置提案、与党をも驚かせる
2008年06月09日付 Radikal 紙

大学におけるスカーフ着用解禁を見込んだ憲法改正を憲法裁判所が無効と決定したことに続き、民主化政策について検討している公正発展党(AKP)は、期待していた支持をトルコ大国民議会のキョクサル・トプタン議長から得ることができなかった。トプタン議長は、公正発展党が期待していたような憲法裁判所の権限を制限する改正法案パケットの代わりに、上院制度という議論を始めた。

公正発展党が長い期間をかけて準備してきたものの議題にはしてこなかった改革パケットが、憲法裁判所のスカーフに関する決定が出された後、6月7日に召集された中央執行委員会にてもう一度取り上げられた。公正発展党は、解党を困難にし憲法裁判所の権限を制限する変更のほか、EU加盟のための改革を含む多数の調整案を盛り込んだ改革パケットについて、野党からも支持を得るため働きかけをする予定だ。

中央執行委員会の会議では、公正発展党に対して起こされた解党請求訴訟が続く一方で、憲法改正が同党によって議題とされれば、社会に新たな緊張を引き起こす懸念があるので、改革パケットをトルコ大国民議会のキョクサル・トプタン議長が議題とすることがより適しているという合意に至った。公正発展党執行部は、憲法裁判所が下した決定が議会の意志に反してとられた決定であると評価付けした。そして同執行部では、問題の改革パケットをトルコ大国民議会議長が発表するほうが適当であるという見方が大半を占めた。この憲法改正案は、公正発展党に対して起こされた解党請求訴訟の後にも議論された。しかし批判を受けたため、議会で議題にされることはなかった。

■驚くべき発言
中央執行委員会の会議のすぐ後にレジェプ・タイイプ・エルドアン首相が、キョクサル・トプタン議長を突然訪問したことで、議会の舞台裏での動きが活発化した。その一方で公正発展党の舞台裏では、中央執行委員会で議題とされた民主化パケットをトプタン議長が公表すること、そして野党からもこれに支持を要請すると発言するという期待が高まった。公正発展党党員たちのこの期待に対して、トプタン議長からは同党員を驚かす発言が出た。トプタン議長は、公正発展党の期待とは反対に、改革パケットを議題として取り上げなかった。予期せぬかたちでトプタン議長によって提案された「上院制度」のアイディアは、公正発展党内の話し合いで同意を得られなかった。公正発展党党員たちは、トプタン議長の提案について、慎重な発言をするにとどまった。

■党執行部はエルドアン首相の家で
入手された情報によると、トプタン議長の発言の後、公正発展党のニハト・エルギュン副グループ長は、エルドアン首相の指示でトプタン議長と面会し、次のように述べたことが公表された。
「このようなことは予期していませんでした。今回の発言には驚かされました。我々は、もっと迅速に、そして今日の状況に適したかたちで憲法裁判所の決定に回答するような、議会の尊厳を守るような協調をあなたが呼びかけることを期待していました。トルコは特にこの状況下でこういった事に対し準備ができていませんから」
トプタン議長の発言の後、8日夕刻、党執行部の一部がエルドアン首相の家を訪問し、トプタン議長の発言について検討したことが分かった。

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( 翻訳者:指宿美穂 )
( 記事ID:14030 )