イスラエルの占領政策によって危機に晒されるエルサレム旧市街
2008年06月04日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ 人口密集と今にも崩れそうな建物、生者にも死者にも及ぶ攻撃
■ 日中はイスラエルによる嫌がらせ、夜間はねずみの襲来に悩むエルサレム旧市街
2008年06月04日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【エルサレム:ワリード・アワド本紙記者】
エルサレム旧市街の住民が非常に厳しい生活状況におかれている。イスラエル占領当局の標的にされているこの地区では、住居の改修も人口の自然増に合わせての増築も禁じられていることがその背景にある。
旧市街を巡ってみると、住民が人口密集に苦しめられ、占領当局が住民へのサービス提供を怠っていることに気付くだろう。これらはイスラエルがこの聖地のユダヤ化を円滑に進めるためにとっている占領政策の1つなのであり、住民を苦しめることで彼らに住居を捨て、エルサレムの外へ移住するよう迫っているのだ。
占領当局によるエルサレム旧市街への意図的な怠慢のために、とりわけ夜間には、ねずみがこの街の住民となる。市民や旧市街に店舗をおく商店主たちは、「当局が旧市街の路地の脇にゴミを長期間放置するため、夜間に大量のねずみがはびこっている。こんなことはイスラエル人の住む地区では起こり得ない」と不満をもらす。
住民から徴税しているにもかかわらず占領当局は旧市街での施策を怠り、住民へのサービス提供を行なっていない。これは占領当局が取っている住民への締め付け策であり、住居の建築はおろか改修さえも禁じる一方で、入植者団体は昼夜を問わず、旧市街のユダヤ化のために様々な手を使って旧市街を占拠する活動を続けている。
エルサレム旧市街はエルサレム市内の0.9km四方の区域であり、1860年代まではエルサレム市の領域はここだけだった。アル=アクサー・モスクや岩のドーム、聖墳墓教会などの聖地を抱えるエルサレム市内のこの区域を占領当局は特別に狙い定め、地元住民に対しては家の改修を禁じる一方で、旧市街の下に埋まっているイスラエルの遺跡の発掘を続けている。「エルサレムとパレスチナの聖地を守るためのイスラーム・キリスト教戦線」は昨日、アル=アクサー・モスクに隣接する数十件の歴史的な建築物に崩壊の恐れがあると警告した。
(後略)
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( 翻訳者:梶田知子 )
( 記事ID:14039 )