ガザ地区への大規模侵攻に傾くイスラエル首脳部
2008年06月11日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ガザ東部でのイスラエル軍の砲撃で3人の活動家が死亡
■オルメルト首相、バラク国防相、リヴニ外相、政府治安担当官たちがガザ掃討を提言

2008年06月11日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ガザ、ナザレ:本紙アシュラフ・アル=ハウル記者、ズヘイル・アンドラウス記者】

イスラエルは昨日、ガザに対する攻撃を激化させ、ガザ市東部の国境地帯に武装活動家を標的とした砲撃を加えた。3人の活動家が殺害され、その他5人が負傷した。その頃、イスラエルのエフード・オルメルト首相はガザでの軍事活動を検討するための特別治安会合を開いた。

パレスチナ保健省のムアーウィヤ・ハサネイン救急局長が述べたところでは、この砲撃で命を落とした活動家はヤヒヤ・ハミード、ムスタファー・アタッラー、アハマド・アル=サファディーの3人であり、全員が20歳代だった。また彼らの遺体がガザ市のシファー病院に着いたときには、爆発の激しさで遺体がバラバラになり炭化していたという。

最初の砲撃で2人が死亡し、他に3人が負傷したとハサネイン氏は語り、占領軍はその後、直ちに次の攻撃を開始して、これが3人目の活動家の殺害と、他の2人の負傷につながったと指摘した。負傷者たちの容体は小康状態から危篤状態まで様々だと説明した。

ハマースの軍事部門であるカッサーム軍団は、死亡したのは自分達の組織のメンバーであると認め、彼らはカッサーム軍団の細胞で活動しており、ジハードの最中に殉教したとして、その死に報復をもって報いると公表した。

イスラエル指導部は水曜日までガザの将来に関する決定を延期したと見られる。水曜日には24時間の内で2回目となる会合を開き、そこで最終決定が行われる予定であり、ハマースが主導権を握るガザでの停戦成立を投げかけるエジプトの努力に同意するのか、それとも軍事攻撃に出るのかが決められる。オルメルト首相、エフード・バラク国防相、ツヴィ・リヴニ外相、そして政府の治安担当官たち全員が、定例閣議後の会合で、軍事攻撃にでるべきとの提言を行っている。またその定例閣議の冒頭でオルメルト首相は、最近の自身のアメリカ訪問によって、イスラエルの治安に対する多大な関心を含めた両国の相互理解が増したと述べていた。

ハマースとの停戦に向けたエジプトの仲介をめぐる議論では、閣僚の間に見解の相違が見られた。エリ・イシャイ大臣はイスラエル政府にガザ地区での軍事行動を要請し、拘束されているイスラエル軍兵士、ギラード・シャリットの解放なくして、非現実的な停戦に合意することはあり得ないと指摘した。

(後略)

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:14088 )