2005年の首相府支出は3500万新トルコリラ(約31億円)、2006年には2億4950万リラ(約220億円)、そして2007年には2億9070万リラ(約256億円)であった。共和人民党(CHP)は支出が何に使われたのか、と質問した。しかし政府は回答しなかった。エルドアン首相はこれらの質問に強い苛立ちを示した。
2005年に3500万新トルコリラ(約31億円)だった首相府官房局の支出が、2006年と2007年に信じられないほど増加したことが議員達を混乱させている。首相府官房局の2006年の支出は2億4950万新トルコリラ(約220億円)であった一方で、2007年は2億9070万新トルコリラ(約256億円)の支出があった。首相府の情報筋は、問題となっている首相府官房局の支出増加をエルドアン首相の国内外の視察訪問と関係づけている。
2006年には2700万新トルコリラ(約24億円)の予算を割り当てられた首相府官房局は、同年度を2億4950万新トルコリラの支出額でしめた。2007年もこういった状況は変わらなかった。2007年に2億9070万新トルコリラの支出をした首相府官房局は、割当てられた3170万新トルコリラ(約28億円)の予算の9倍を支出した。官房局が予算を何倍も超えて支出していることは、共和人民党イズミル選出のアフメト・エルスィン議員によって国民議会の議題としても取り上げられた。
■回答は得られず■
共和人民党のエルスィン議員は、首相府官房局がこの支出の使途を詳細にわたって公表するように求めた。同議員は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相に回答を求めるかたちで作成した質問書の中で、「これらの支出はどういった理由で、どのような活動に充てられたのでしょうか?支出項目のそれぞれの金額はいくらなのでしょうか」と質問した。エルスィン議員への回答は、ジェミル・チチェキ副首相を通してエフカン・アラ首相府事務次官からエルスィン議員の手に渡った。しかしアラ氏は、支出の詳細について説明せず、「予算実績については2007年度決算に関わる法律」の中で閲覧可能と回答するにとどまった。
問題追及の意思の固いエルスィン共和人民党議員は、トルコ大国民議会に対し首相の回答を求めるかたちで、この問題に関するふたつ目の質問提議書を提出した。
エルスィン議員はその質問提議書の中で次の質問について改めて回答を求めた。
「官房局が2007年に行った2億9078万5000新トルコリラ(約256億円)の支出は、どのような目的でどの活動に対して行われたのでしょうか。
当局の回答によると、78人もの首相府アドバイザーが任務を遂行していると示されています。2007年に586万6274新トルコリラ(約5億1千万円)が支払われたこれらのアドバイザーのうち、何人が公正発展党の政権期に任命されたのでしょうか?
官房局の支出については、前会期中にサムスン選出のイドリス・サーミ・ダンドウドゥ共和人民党議員が初めて国民議会に議題としてとりあげました。同議員は、2006年12月に提出した質問提議書の中で予算を超える支出の必要性に関する説明を求めています。しかしこの質問提議書は、トルコ大国民議会のインターネットサイトによると、期限内に回答されなかったため、無効となったのでした」
■首相府からは「必要経費」との主張■
官房局の支出増加について検討した首相府筋は、支出増加の最大要因はエルドアン首相が国内外で行った訪問が理由であると述べた。同情報筋は、エルドアン首相が以前の首相達よりもかなり多くの訪問を行っていることに言及し、アドバイザーの旅費もここから支出されたと述べた。旅費の増加についても、アドバイザーがエルドアン首相と同様に外遊を頻繁に行ったことが要因であると主張した。
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( 翻訳者:原田星来 )
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