アタテュルクの諸改革について公正発展党フラト副党首、「トルコ社会にとってトラウマ」発言
2008年06月24日付 Milliyet 紙
公正発展党(AKP)副党首のデンギル・ミル・メフメト・フラト氏がアタテュルクの諸改革に対して述べた「トルコ社会にトラウマを残した。一晩で服装や言葉を変えさせた」という発言は、公正発展党党員を含め多くの人々の反感を買った。
公正発展党副党首のデンギル・ミル・メフメト・フラト氏がニューヨークタイムズ紙に対しておこなった、アタテュルクの諸改革は「トルコ社会にトラウマを残した。一晩のうちに服装や言葉を変えることを望んだ。宗教的な慣習が排除された」という発言は、アンカラで「トラウマ」を生み出す一方、公正発展党の中では議論と反感の原因となった。
フラト氏は「宗教が排除されたとは言っていない」と述べた。その一方でトルコ大国民議会の議長であるキョクサル・トプタン氏は、この件に関して「私たちを今日に導いたのはアタテュルクの諸改革です」と記者たちに語った。
共和人民党(CHP)のムーラ選出議員であるアリ・アスラン氏は、レジェプ・タイイプ・エルドアン首相の解答を期待し提出した質問趣意書により、この件を議会の議題に移した。
フラト氏の発言に対して議員は以下のような反応を示した。
■ エルデム:後れた誹謗
ヴァヒト・エルデム(公正発展党-クルッカレ):アタテュルクが行ったことは既に歴史に重要なものとなっています。アタテュルクはトルコ共和国の創設者、国民的英雄、そしてトルコ国民の志です。宗教とアタテュルクについて政治的駆け引きを行うのは間違っています。してはならない後れた誹謗です。
イスマイル・カトメルジ(公正発展党-イズミル):このような考えはありえません。アタテュルクに対する私たちの敬意や信頼は無限です。アタテュルクへの誹謗を私たちは望みません。
メヴルト・アクギュン(公正発展党-カラマン):改革を議論する代わりに「共通の生活文化と価値をどのようにより生活に浸透させるか、新しい憲法にこのことをどのように反映させるか」という議論をする方がよりふさわしいでしょう。
■ 共和人民党から反発の嵐
ハック・スハ・オカイ(共和人民党会派代表代理):ムスタファ・ケマルのもっとも大きな業績である共和制を逸脱し、啓蒙的な改革にリターンマッチを望んでいます。政権(の有り様)・共和制・(改革の)価値観を理解できていないようです。(発言の)意図するところはムスタファ・ケマルと彼が建てた共和国です。
オヌル・オイメン(共和人民党会派代表代理):トルコ国民はアタテュルクの改革を不可欠の生活形式として受け入れています。彼の改革は、国民に対する圧力を取り除き、自由にし、国民の意志を主権とした行政の開始となりました。トルコ社会にトラウマを生み、トルコの現代化の前に大きな障害を作っているのは公正発展党政権です。
ムスタファ・オズユレキ(共和人民党会計監査役):彼らは「私たちはアタテュルクを愛していますが、共和国の諸原則が誤って解釈されています」と言い、本心を隠しています。現在アタテュルクとその思想を直接標的とするキャンペーンが始められています。一晩で国民の服装と言葉が変わったということはありませんでした。
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( 翻訳者:白石百合子 )
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