オズキョク元参謀総長、ギュル大統領に自らの考え伝える
2008年07月11日付 Milliyet 紙
アブドゥッラー・ギュル大統領は昨日(10日)、チャンカヤの大統領官邸でヒルミ・オズキョク元参謀総長大将と昼食会談を行った。会談では、公正発展党(AKP)解党裁判とエルゲネコン捜査に関連して生まれた緊張を、いかにして和らげるかについて話し合いがもたれたのが明らかになった。オズキョク大将は「私は学者ではない。意見の一部をお話ししたが、判断は政府の仕事だ」と語った。2時間半におよぶ会談中、オズキョク大将は勧められたワインに手をつけなかったという。
■ミッリエト紙記者によるインタビュー
「雌の子牛」や「月光」という名前のクーデターが企てられているとされた時期に参謀総長を務めたオズキョク元大将は、トルコ国内の情勢についてミッリエト紙アンカラ支局長のフィクレト・ビヤからのインタビューに応じ、いくつかの提言を行い、さらにギュル大統領と会談を行ったことを明らかにした。
オズキョク元大将は「大統領閣下は(トルコ国内の情勢について)より具体的な情報を得る目的で私を招待した。トルコの情勢について一通り話し合ったが、話の中心は新聞に掲載されている私の提言についてだった。このほか、大統領閣下はご自身が行った各交渉について私に情報を下さった」と語った。
また、トルコのEU加盟交渉についても話し合ったことを明らかにし「加盟交渉に関わる活動のスピードが緩まったように見えるとお伝えした」と話した。会談の感想について訊かれると「大統領閣下からのお招きを受け、光栄に思う。会談は満足なものだった。一つ申し上げておくと、私は学者ではない。私の考えや考察に基づく意見の一部をお話ししたが、判断は政府の仕事だ。もしお役に立つことができ、我が国に何かできるなら、それは誇りに思うし喜ばしいことだ」と答えた。
支局長が「学者とはどんな人のことですか?」と尋ねたところ、同氏は、経験豊かな科学者や研究者、様々な職業分野の第一線で活躍する人々のことであると述べた。また、ギュル大統領に対し、こうした人々は(トルコの情勢を考える上で)貢献し得ると伝えたことも明らかにし「具体的に『この人は学者でこの人は学者ではない』といった境界はない」と話した。
オズキョク元大将はさらに、エルゲネコン捜査について、「一通り」の話し合いの中で触れたが詳しい話はしなかったと述べた。また、クーデター計画の日誌については話さなかったことを明らかにし、「あの日誌について話すことを考えていますか?」との質問に、「私は肉屋の肉にタマネギを挟み込むようなことはしない。先輩方からそう教わってきた。適当な時期が来て、話題に上ることがあればその時話し合われることだろう」と答えた。
オズキョク大将がビラ支局長に話した内容はまとめると次の通り。
「手遅れになる前に、公的な立役者が現れ、国民の応援を得ながら団結に秩序を持たせる活動を実現することが避けがたくなった。各機関同士の連携を保つ役割を誰が負うのかは憲法に明記されている。だが、この実現に向けて貢献し得る、国民の信頼を勝ち得た、政治的期待とは無縁の学者が招聘を待つことなく関わることは、やむを得ない状況となった」。
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( 翻訳者:倉本さをり )
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