小説「神の娘たち」、宗教的価値観を侮辱していると捜査開始
2008年07月17日付 Milliyet 紙

作家のネディム・ギュルセル氏が2008年3月にドアン・キタプより出版した『神の娘たち』という名前の小説が、「宗教的価値観を侮辱し、軽視」していると主張され、捜査が開始された。ギュルセル氏は「驚きましたし、同時に遺憾にも思いました」と述べた。

シシュリ共和国検察本部は、ネディム・ギュルセル氏が2008年3月にドアン・キタプより出版した『神の娘たち』という名の小説について、「宗教的価値観を侮辱、ならびに軽視」したという主張によりトルコ刑法第216条第3項に従って捜査を開始した。

同項では、「国民の一部に受け入れられている宗教的価値観を公に軽視した人物は、行為が公的秩序を乱すおそれがある場合、最低6ヶ月、最高1年の懲役を科す」ことが想定されている。私たちの電話取材に応じたネディム・ギュルセル氏は、捜査に対し、驚きとともに遺憾に思っていると語った。

■ニュースはハッランできいた
ギュルセル氏は自身について捜査が開始されたというニュースを、フランス人出版社関係者と共にアナトリアについて準備中の著書の調査のために滞在していたハッランで知り、一昨日(15日)、証言のためにイスタンブルに戻った。
今回の捜査が告発を受けて開始されたことを明らかにしたギュルセル氏は、次のように述べた。
「以前にも9月12日の軍事クーデターの期間に裁判所で本が審議され、無罪となったひとりの作家として、30年ぶりに再び思想の自由の限界が広げられたと考えていたトルコにおいて、小説が裁判に訴えられる可能性があるということに私は驚きました。『神の娘たち』はイスラームの誕生を描き、預言者ムハンマドに焦点を当てた、ポリフォニー小説です。もし私が、預言者の敵となる人たちに預言者を讃えさせたなら、説得力のあるものにならなかったでしょう。神聖なものや人々の宗教的価値を傷つけようとする側面は全くありません。小説の中で対象としたすべてのことがイスラーム史やイスラームに関する史料にあることです」

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( 翻訳者:高岡望結 )
( 記事ID:14309 )