エジプト、マトルーフでの踏切事故の悲惨な詳細が明らかに
2008年07月19日付 Al-Ahram 紙
■ マルサ・マトルーフで悲惨な事故
■ サーラは死体の中に消え、父は病床でうわごと
2008年07月19日付アル・アハラーム紙(エジプト)HP1面
〔踏切待ちの車列にトラックが突っ込み、列車と複数の車が衝突、数十名の死者を出した〕マルサ・マトルーフでの悲惨な事故から3日、この惨事の新たな詳細が明らかになった。砂の上に死体や血が散乱する忘れようのない光景が広がる中、住民たちはこのような事故を引き起こした人命軽視に怒りをあらわにした。
事故によって生じた人道的悲劇の一つに、カイロのアラブ・コントラクター病院のベッドに横たわる3人兄弟の事例がある。そのうち1人は重体で、事故によって両親を亡くした彼らの生活は地獄に変わった。親戚らは彼らを苦しめる〔両親が死亡したとの〕知らせを伏せている。
別の悲劇的な事例は、病床で娘のうわごとを呟いている父親である。一緒にバスで帰宅中だった娘が事故で負傷し、血まみれになって自分の隣に横たわっているのを父親は目撃したのだが、その後、娘は行方が分からなくなってしまった。彼は親戚たちに、悲劇の現場で彼女を捜索するよう求めている。
事故につながった人命軽視に住民たちは怒り、また同じような事故が起こりうると主張する。運転手がハンドルのコントロールを失うのはラアス・アル=ヒクマ丘陵の下り坂のせいだとして、住民はダバア地区の「死のスケートコース」での交通整理を見直すよう求めた。
マトルーフ県は遺族や負傷者への緊急支援を開始する。遺族には1万5000エジプト・ポンド、負傷者には1000エジプト・ポンドが支給され、さらに社会連帯庁から遺族に5000エジプト・ポンド、負傷者に1000エジプト・ポンドが支払われる。
アレキサンドリア西部検察とマトルーフ検察とは、この事故の犠牲者のうち37名の死体をすでに埋葬し、未だに身元不明の4遺体は保管していると発表した。捜査によると事件当時、〔トラックの〕運転手は居眠りをしていたか、意識を失っていた模様。
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( 翻訳者:梅原春奈 )
( 記事ID:14337 )