公正発展党(AKP)に対する解党請求裁判を2008年3月14日に開始した憲法裁判所は、この訴訟の審議を7月28日に始める予定だ。同裁判所は、福祉党(RP)の解党請求裁判では裁判を起こしてから今回と同じ段階に至るまでに7ケ月と25日間かかった経緯がある。
憲法裁判所は、公正発展党解党請求訴訟の審議を、7月28日に始める予定だ。
共和国史上初となる、単独政権を握る政党に対して起こされた解党訴訟は、記録的な短期間で審議段階に至った。最高裁判所検察本部は、公正発展党に対する解党訴訟を2008年3月14日に開始した。憲法裁判所は昨日(22日)、解党請求の審議を開始する日程を7月28日として明示した。
福祉党の解党請求訴訟において同裁判所は、裁判開始から7ヶ月25日かかってやっと今回と同じ段階に至ることが出来たのだった。美徳党(FP)の解党請求訴訟では2年45日かかってこの段階に至っている。しかし今回は、最高裁判所検察本部と公正発展党が、訴訟のいかなる段階においても追加の時間的猶予を請求したり、追加要求をすることが全くなかったため、結審まで4カ月半で到達することができた。
■解党には7名が必要
決定によると、11名の判事からなる最高裁判所は、7月28日から審議を開始する予定だ。審議では、最高裁判所検察本部が作成した起訴状、被告政党がこれに対して行った弁論書、検察本部の基本理念に関する見解、公正発展党の基本理念に関する反論および口頭弁論が読まれる。書類に示された証拠はひとつひとつ議論される予定だ。
書類のすべてが取り上げられた後、解党請求は投票にかけられる。憲法によると、少なくとも7名の判事が「解党」に票を投じれば、公正発展党は解党される。この場合、判事団は誰に政治活動禁止の措置を適用するか、政治活動禁止を要求されている71名について状況をひとりずつ取り上げ、票決する。少なくとも6名の判事が「政治活動禁止」と票を投じた人物は、5年間の政治活動禁止措置が取られる。
6名の判事が解党と票を投じた場合、公正発展党には国からの財政援助の打ち切りが適用される。この場合はどの党員にも政治活動禁止措置は適用されない。
公正発展党の解党を求める判事の人数が5人でとどまれば、公正発展党は解党請求裁判に勝訴したことになる。規定によると、解党および政治活動禁止の決定は、理由を付した判決が官報に掲載されることで、施行となる。このため解党という判決が出た場合、理由を付した判決文が完成するまで、政府は任務を継続する。
7月28日という日程をメディアに発表したのは、慣例に反して、オスマン・パクスュト憲法裁判所副長官ではなく、同裁判所事務局のアルプアルスラン・アルタン副事務長だった。
■審議に何日かかるかは不明
憲法裁判所は、福祉党の解党訴訟では審議開始から8日後に、美徳党の解党訴訟は審議開始から11日後に判決を発表した。高等裁判所である憲法裁判所が、公正発展党の解党訴訟の判決を最短で8月1日に発表することが期待されている。
憲法裁判所を出る際に新聞記者の質問に答えた憲法裁判所のハシム・クルチ長官は、「開始されると、われわれの審議、議論が続きます。結審すると、いつもそうであるように、あなた方に簡潔な発表がなされます。月曜日に審議を開始します。3日続くのか、5日になるのか、それとも10日続くのか、私たちには分かりません。そのときの議論の動きによって決まることです」と述べた。クルチ長官は、憲法裁判所の判事団が以前から計画していたロシア視察をいつ実施する予定かと尋ねられると、「私たちにとって、自国の問題は重要です。もしこの件で自国にとどまることを必要とする状況があるのであれば、この視察訪問には行きません」と語った。
■エルドアン首相:有益なことになりますように
エルドアン首相は、憲法裁判所が公正発展党の解党請求訴訟を7月28日に審議開始することに関して、「われわれの国、そして国民のために有益なこととなりますように」と述べた。新聞記者の「それだけですか?」と言うと、エルドアン首相は「これだけです」と答えた。
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( 翻訳者:栗林尚美 )
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