トルコ、参謀総長に反イスラム主義者を任命 海外メディアが大きな関心示す
2008年08月06日付 Hurriyet 紙
憲法裁判所の決定のすぐ後、参謀総長職にイルケル・バシュブー陸軍大将が任命されたことに海外メディアが大きな関心を示した。
海外の新聞は、バシュブー陸軍大将に対し「トルコは、反イスラム主義者の軍司令官を任命した」、「世俗国家を守ることにおいて前任者同様厳しい姿勢が待たれている」、「政府との緊張関係が緩和されることが期待されている」「世俗主義の多大なる擁護者が、軍のトップになった」のような見解を示した。
ガーディアン紙:ガーディアンは「トルコは、反イスラム主義者の軍司令官を任命した」との見出しの記事で、「トルコで力を持つ軍が、イスラム主義に対して厳とした態度で知られる新しい軍司令官を任命し、国の世俗体制にゆるぎない支持という、メッセージを送った」との見解を掲載した。バシュブー大将が任命されることにより、軍と公正発展党政権の間の緊張関係が緩和される兆しとの評価を下した新聞は、「トルコのNATOとイスラエルの関係に対する多大な支持者である」と評価したバシュブー陸軍大将に対して「ビュユクアヌト陸軍大将よりも抑制的である。しかし新参謀総長は、アタテュルクによって作られ、軍が主要な守り手として存在する世俗国家を守ることについて前任者同様厳しい姿勢が待たれている」と書いた。ガーディアンは、バシュブー陸軍大将が2年前に行ったスピーチで政治的イスラムを「脅威」として評したことを、しかし一部の観測筋はバシュブー陸軍大将が軍の司令官として「より衝突を避ける態度」をとろう、と記載したことが注意を引く。
フィナンシャル・タイムズ:英国のフィナンシャル・タイムズは「トルコは、世俗的な軍と社会的に保守的な政権の間の緊張関係を緩和させることを期待する措置として新しい軍事司令官を任命した。イルケル・バシュブーの昇級により、政権につく公正発展党と対決がより少ない道が開かれるよう望まれている」との解釈を行った。
ル・モンド:フランスの有名な新聞のひとつであるル・モンドも、バシュブー将軍を「世俗主義の多大なる擁護者」として評した記事で、「イスラム主義を信条とする公正発展党のメンバー」としたギュル大統領が、「アメリカに次いでNATO内で多数の軍隊を擁する軍のトップに、基本姿勢としてトルコ国家の世俗主義の共和国の諸価値を守ることに決然とした、「タカ」として評価される63歳のこの大将を任命する決定に署名した」と報じた。
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( 翻訳者:栗林尚美 )
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