パレスチナ詩人、ダルウィーシュの新作『用意されたシナリオ』
2008年07月22日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ マフムード・ダルウィーシュの新たな詩、『用意されたシナリオ』
2008年07月22日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ロンドン:本紙】
〔アラブ世界を代表するパレスチナ人詩人〕マフムード・ダルウィーシュは、本紙に特別掲載された最新作において、自分と敵とがひとつの穴に落ちることで邂逅するという筋書きを通し、パレスチナ‐イスラエル間の状況を裁こうとする。この奇抜なアイディアを通してダルウィーシュは、皮肉に縁取られた高度な哲学的・政治的弁論を展開するのだ。
“僕たちは話し合わなかった。『私のものになったものはすべて私のもの。そしてお前のものは私とおまえとのもの』。かつて彼がこう言ったとき、僕は共通の不条理について話し合う際の法則を思い出した。”
そして敵に交渉を求められた詩人は、こう問いかける。“『この墓のような穴に落ちた今になって、なにを交渉するというんだ』。すると敵は言った。『われわれの無益と共通の墓の、それぞれの取り分についてだ』”
ダルウィーシュは詩の地平を閉じぬままにおく。なぜなら時はすでに逃げ去り、運命は規則から外れてしまったのだから。“ほら、ここに殺した者と殺された者とがひとつの穴の中で眠っている…僕以外の詩人がこのシナリオを最後まで書き続けるのだ!”。
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( 翻訳者:久田理恵 )
( 記事ID:14446 )