羊飼いをしながら医学部合格の片腕のトレジくんに、サッカー選手が学費援助の申し出 
2008年08月21日付 Zaman 紙

ハッキャーリ県のユクセコヴァで羊飼いをしながら大学に合格した片腕の少年、イルファン・トレヂさんにサッカーの有名選手ウミット・オザット氏が支援を申し出た。

昨年ドイツのケルンに移籍したオザット氏は、新聞などでイルファンさんのことを知り援助することを決めたという。イルファンさんの学費を全て負担したいというサッカー界の英雄は「子供時代から、学ぶことの難しさを実感してきた。だからこそ彼を助けたいと思った」と話す。
ザマン紙のインタビューに答えたケルンのキャプテンのオザット氏は、新聞などで若い羊飼いの記事を読んで興味を引かれ詳しく調べた。羊の世話をしながら大学に合格するという意志の強さに大きな感銘を受け、自らの子供時代の苦労を思い出したという。そして彼が学び続けられるよう援助することを決めた。「我々のような人間がこのような慈善活動に率先して取り組むべきだ」と話すオザット氏は、少年に経済的援助をすることを誇りに思うと言い、「余裕のある人々がみな困っている子供たちに手を差し伸べれば、学べない子供はいなくなる。こういった支援が教育にとって大きな効果を生むだろう」と語った。ハッキャーリのユクセコヴァ郡で羊飼いをしているイルファン・トレヂさんは、山で勉強しながらハヂェテペ大学の医学部に合格した。家は農家で、10人の兄弟と貧しい中で育った。毎年、学校が休みになるとハヂュテペで羊の放牧をして家計を助けた。5歳のときに感電が原因で片腕を失った。専門の医者がおらず、どうしようもなかったと話すイルファンさんは、これがきっかけで子供の頃から医者になることを夢見るようになった。

知事が義手の準備を
ハッキャーリ県のアイハン・ナスフベイオール知事は、トレヂさんの快挙を支えるため必要な援助を行うことにし、「まずは義手をつけることと奨学金が受けられるよう支援活動を始めた」と話した。また「イルファンさんは腕がなかったために子供のころから目標をもち、それを達成した。この意志の強さは我々に多くのことを教えてくれた。彼に必要なものは何でも揃える」と話した。

サバンジュ基金から奨学金の約束
サバンジュ基金もまたイルファン・トレジさんに奨学金を与えることを明らかにした。サバンジュ基金のヒュスニュ・パチャジュオール会長は、トルコにとって最も重要な課題が教育であるとし、学ぶ意欲のある子供たちに物心両面にわたる援助を行う必要があると強調した。また、トルコでは学び、自ら考えて、働く人材がこれまで以上に求められていると付け加えた。

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( 翻訳者:湯澤芙美 )
( 記事ID:14537 )