プロの詐欺師、隠れイマームとのつながりを主張
2008年08月05日付 Jam-e Jam 紙

【事件部】隠れイマームとのつながりを語っては若い女性を騙し、この女性の破廉恥なビデオを制作した男の取り調べが続けられている。そのような中、容疑者はプロの詐欺師で、女性を辱めた後、一時婚届けを偽造して、彼女と婚姻関係を結んでいたことが明らかとなった。

 ジャーメ・ジャム紙記者の報告によると、今年イラン暦ティール月13日(西暦7月3日)、若い女性がキャラジ刑事検察庁予審第6課を訪れ、詐欺師を訴え出た。

 訴え出た女性はモハンマド・ヤーリー予審判事に、事件について次のように説明した。

しばらく前、私がテヘランのとある宗教施設を訪れたとき、2人の若い女性と知り合いました。その時彼女達から、次のような話を聞きました。「隠れイマームとのつながりを主張するアリーという男性には、病気を治癒させるエネルギーがある。そのお陰で私達の病気も治ってしまった。たくさんの女性たちが彼の家を訪ね、害悪から守ってもらっている」。私がこの2人の女性と話していると、そこにアリー本人がやってきて、彼女達に彼を紹介してもらいました。

女性の人生、男のウソにまみれた言葉で破滅

 女性は次のように続けた。
アリーというこの悪人は私を見ると、「あなたは家庭内で問題を抱えていますね。両親はあなたの命を奪おうとしている。早く家から出ないと、あなたの身に災いが降りかかりますよ」などと言ってきました。

はじめは彼の話には耳を貸しませんでしたが、その後も彼と会う中で、以前の話をしつこく繰り返す上に、「私は隠れイマームとつながりがある」とか、「ジン(悪霊)が人の家に出入りするのをコントロールできる」とか、「私の力で悪霊があなたの家に出入りするのを防ぎたければ、私の話を聞きなさい」とか言うので、私も怖くなってしまいました。

するとアリーは数日後に返却するので、私が詩をしたためたノートを貸してほしいと言ってきました。

〔彼の求めに応じてノートを貸すと、〕その数日後、彼は私に会いにやって来て、次のように言ってきました。「あなたの詩を何篇か隠れイマームに贈ったところ、イマームはそれが大いにお気に召したご様子だ。そこで今日、あなたをイマームの許に連れていくことになった」。

 被害者の女性は、次のように付け加えた。
この悪人はこうして私を騙し、ハシュトゲルド地区にある自宅に私を連れ込みました。男はそこで、飲み物が入ったコップを私にすすめたので、それを飲んだところ、私は突然意識を失いました。数時間後、暗い部屋の中で意識を取り戻しましたが、この悪人に辱められ、破廉恥なビデオを撮られたことに気がつきました。

私は男に解放を求めましたが、無駄でした。男は私に暴行し、それから私を写真屋に連れて行きました。私と男二人の写真を撮った後、彼の妹(姉)の家に行き、そこでニセの一時婚届を作成し、先ほど写した写真を貼りました。彼は公証人の代わりに一時婚届に署名するよう、凶器をつかって妹さんを脅しました。

男はその後、私を複数の貸家に幽閉しました。しかし両親が私を捜しており、男を警察に訴えたということを知り、彼はついにテヘランの某所で私を解放し、逃亡しました。その後も、男は私に何度も電話をかけてよこし、脅迫して口止めを要求しました。しかし妹さんが我が家にやってきて兄(弟)を警察に訴えたというので、私も勇気を出して、男を訴えることにしました。

 このような若い女性の訴えを受け、容疑者の男の妹が警察に出頭、女性の訴えを認めた。そこで男の身柄拘束へ向けた捜索が行われ、ついに2週間前、テヘラン州情報治安課の捜査官らがキャラジのハシュトゲルド地区にある男の自宅を特定し、容疑者を逮捕するに至った。

(後略)

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( 翻訳者:大場麻子 )
( 記事ID:14558 )