学生ら、アル・アラビーヤ放送のイラン支局閉鎖を要求
2008年09月03日付 Jam-e Jam 紙

【政治部】「全国10大学・大学生イスラーム協会」は声明を発表し、その中でイスラーム革命の偉大なる創始者〔=ホメイニー〕を侮辱したアル・アラビーヤ放送の行動を非難した上で、イランにある同局のすべての事務所の閉鎖を求めた。

 ファールス通信の報道によると、この声明は、アル・アラビーヤ放送はこれまでも何度もムスリム、特にシーア派信徒の感情を傷つけるような番組を制作してきたと指摘した上で、次のように言及している。
〔ホメイニーに対する個人的な〕攻撃や誹謗中傷では、イラン・イスラーム革命とレバノンのシーア派信徒による抵抗運動、そしてインティファーダがイスラーム共同体において有する気高い地位を貶めることなどできはしないということを、これらの者どももよく知るべきだ。亡きイマーム〔=ホメイニー〕とイスラーム革命、ヒズブッラーとインティファーダは特定の地理的境界内に限定されたり、メディアのプロパガンダにとどまったりするようなものではない。むしろ、イマームと革命は各イスラーム社会の中心に堅固な位置を占めており、その教義はすでに世界に拡大しているのだ。

 学生らは声明の中で、さらに次のように続ける。
権力主義的で狭隘な見識しかもたぬ者ども、西洋とイスラエルの追従者どもは、イランの外部、イスラエルの隣国でイマームと革命の呼びかけがこだましているのを知るべきだ。これこそ、イスラーム革命の輸出とイマームの教義の普遍性がもたらしたものに他ならないのである。

 「全国10大学・大学生イスラーム協会」は声明の最後に、アル・アーラム放送がムスリムの分裂と米ならびに掠奪者イスラエルへのへつらいを目的とした大胆不敵なる冒涜行為を二度と繰り返さぬよう、同局付属のラジオ・テレビ局をボイコットすべきだと、政治・宗教指導者、シーア派宗教権威、そして世界のムスリム諸国民一般の宗教的導師に向けて呼びかけた。



訳注:アル・アラビーヤは、ドバイを本拠地とするアラビア語放送局。アラブ世界ではアル・ジャズィーラに次ぐ人気を誇るとされる。サウジアラビアの放送局MBCによって所有されていることから、親米・新イスラエル寄りとの風評も。また同局の設立には、レバノンのハリーリー・グループも関わっていることなどから、同局はイランの政策やイデオロギーとしばしば衝突する報道を行ってきたとされ、今回の記事の前日(9月2日)にも、同局のテヘラン支局長が国外追放の処分を受けている(アル・アラビーヤの記者がイランを追放されるのは、これで3人目)。なお、外国人記者がイランを追放される事態はこれまでもしばしば起きており、最近では2008年1月に英ガーディアン紙の記者(同紙記者としては3人目)が、また2007年7月には英インディペンダント紙の記者が追放処分を受けている。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:14631 )