文化省、オルハン・パムク新作『思い出博物館』にお手伝い―海賊版防止へ
2008年09月07日付 Radikal 紙

ノーベル文学賞を受賞したオルハン・パムク氏の『思い出博物館』の海賊版を取り締まるため、文化省はキャンペーンを開始。警察と県管理委員会に禁止の徹底を通達した。

ノーベル文学賞作家オルハン・パムク氏の新作、『思い出博物館』が出版されたことにともなって、『海賊版』が作成されることを想定する文化観光省は、この問題の対策に乗り出した。同省から警察庁および各県の管理委員会に向けて、海賊版問題に関連する禁止事項が早期かつ徹底的に行なわれるように文書が送られた。

文化観光省映像・著作権管理局のアブドゥッラフマーン・チェリキ局長は、パムクの『思い出博物館』と題された本が出版されたことや新しい教育年度の始まりを受けて、書物全体の売り上げが増加したと述べた。局長は、このために警察庁および各県の管理委員会へ警戒を促しとし、特に9月、10月にかけての本の売り上げの増加が「海賊版」問題対策に拍車をかけていることも明らかにした。また同氏は「この問題で一層の厳正な管理と海賊版の取り締まりについての法律が速やかかつ迅速に適用されるように、それぞれの県に文書と注意事項を送った。現在もちろんそれに関する討議をおこなっている」と述べた。

チェリキ局長は、警察庁との協力が今年一杯継続することと、県管理委員会機関もそれぞれ管理を行なうことを明らかにしつつ、「教育年度のスタートと『思い出博物館』の出版がきっかけとなった。今後海賊版がより厳しく取り締まられるように警察庁と協力を続けていく」と述べた。

■ 『思い出博物館』

オルハン・パムクが、恋愛に焦点を当てつつも、他の彼の作品と同様に人生のあらゆる事象と日常生活の細かな描写をも書き込んだ『思い出博物館』は、イレティシム出版から出版されている。作者が『ジェブデット氏と息子たち』を発表して以来の長編小説となる同作は、恋愛、物や人間のつながり、収集癖、博物館のようなテーマに加えて、性や、処女性についての古風な意識にも議論を投げかけている。この本は繊維を扱う裕福なバスマジュ家の教養深い30歳の息子ケマルと、遠い親戚である貧しいケスキン家の18歳の美しい娘フュスンとの恋をめぐる物語である。

オルハン・パムクの作品は世界の58言語に翻訳され700万冊以上を売り上げており、最新作の翻訳権は、まだ本が書き終わらないうちに30以上の言語で出版されるため売られた。初翻訳は2週間後にドイツのハンゼル出版より『ミュゼウム・デル・ウンシュルド』という題で出版され、初版は10万冊が見込まれている。

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:14659 )