チュルク民主市民党党首、「『トルコ共和国人』を上位アイデンティティーに 憲法に明記すべき」 
2008年09月17日付 Milliyet 紙

チュルク党首は、民主市民党(DTP)に対する解党請求裁判で行った口頭弁論で、「憲法における上位アイデンティティーは『トルコ共和国人』であるべき」と述べた。民主市民党にはPKK (クルド労働者党)との組織的関与はないと述るチュルク党首は、オジャランの発したメッセージについては分離主義的ではなく平和主義的なものであると主張した。

アブドゥッラフマーン・ヤルチュンカヤ最高裁判所検事長が民主市民党の解党を求めて起こした訴訟で、昨日(16日)、アフメト・チュルク民主市民党党首は口頭弁論を行った。同党首は、直接、政府当局者の見解を調査し、テロリストのアブドゥッラー・オジャランの発したメッセージが平和主義的なものであるとし、この点で、頭を砂にうずめて目をふさぐダチョウのような政治が行われはならないと主張した。民主市民党がPKKをテロリストと定義していないことについて、またテロ定義の一部容認を民主市民党は強制されないこと、そしてテロ定義によればある行動がこれほど基盤を得ることは不可能、といった考えを説明し、憲法において「トルコ共和国人」が上位アイデンティティと明記されるよう要求した。

■ 54ページの口頭弁論
チュルク党首は、憲法裁判所の判事団に54ページの弁論書を読み上げ、クルド正義・自由党(HAK-PAR)と公正発展党(AKP)存続の方向性を示した判決を重視していると明らかにした。同党首は、少数民族が母語で教育を受ける権利を認めないということが、国連によれば「言語ジェノサイド」にあたると述べ、人権に関する諸規則をクルド人に適用することで問題は解決すると主張した。

同党首は、クルド人と同盟関係を結び、トルコ国民の主張により独立戦争を進めたことを明示した、クルド人についてのアタテュルクの演説を引き合いに出した。

チュルク党首は、クルド人が対等な協力者の地位にあったことからローザンヌ条約でも「共同の戦い」という姿勢を維持し続けたが、1924年以降に始まった否定・同化政策の結果、トルコがローザンヌ条約の母国語の権利を筆頭に、クルド人に関係する諸条項を適用しなかったと主張した。

同党首は、「本来なされなるべきことは、共通の祖国をもつという現実を理解することであり、アタテュルクの人格も含めた諸問題について議論し、共和国の革命主義を民主主義的な共和国へと導くことである」と述べた。

チュルク党首は、1982年以降に生じたねじ曲げられた解釈が暗黒組織との関係構築を招いたと述べ、「これらのことが明らかである一方で、クルド人に唯一正当な方法が民主政治でなければならないとどうやって説得するのであろうか」と語った。同党首は、憲法に上位アイデンティティーは「トルコ共和国人」であると明示されることを求め、武力と無関係な民主市民党にはクルド労働者党との組織的関係はないと述べた。

同党首は、同化政策の反発として誕生したPKKが1980年9月12日クーデターで発展し、国家がクルド人に対して使った見合わないくらいの莫大な武力のために、集団の支持基盤を得たと述べた。そして解決不可能のまま放置されたクルド問題がもたらしたPKKと、トルコの非民主的な国民国家イデオロギーは、弁証法的な関係にあると述べた。

チュルク党首は、この現実に目を開かないいかなる政治も成功不可能であろうと強調した。また同党首は、政府とPKKの衝突がテロの発生に還元されえないと述べ、「さらに、テロの真の目的が社会に恐怖、混乱を引き起こすことであると考慮すれば、論理的にはこのような組織に対する社会的な支持はないはずである」と述べた。

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( 翻訳者:藤井庸平 )
( 記事ID:14718 )