■ シリアがレバノン北部国境の軍備を増強
2008年09月23日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面
レバノン北部との国境付近にこの二日間、シリア軍部隊が展開していることについて、公式の説明がない中で様々の憶測がなされている。しかしレバノン軍報道官が両国の沈黙を破り、フランス通信社(AFP)に対して「レバノン北部シリア国境地帯のアッブーディーヤにおいて、シリア軍特殊部隊の兵士約1万人が配置された」と伝えた。
同報道官はまた、「レバノン政府は、この増強部隊展開の理由についてシリア政府に説明を求めた。シリア政府は、今回の措置はシリア領を越えない範囲での国内治安上の措置であり、レバノンに敵対する意図は全くないと断言している」と述べた。
また、「シリア当局は当方に対して、今回の増強はシリア国内での密輸や、その他の国内治安に対する侵害行為を取り締まることを目的としていると言明した」と述べた。
アッカール地方[※レバノン北部]の本紙記者によると、シリア軍の展開範囲はレバノン北部国境から約2㎞の地点12ヶ所にわたっており、アクルーム山からワーディ・ハーリドに到る8ヶ所と、ナフル・カビール川のシリア側沿岸の4ヶ所が確認されている。レバノン側からはシリア軍の宿営地と車両、兵員輸送車などが、ナフル・カビール川やアッブーディーヤのシリア・レバノン国境地点を望むダッブースィーヤ丘陵などで目撃されている。目撃者の話によると、シリア軍はアクルーム山に臨むワッター・アル=サハラ地区や、ワーディ・ハーリドのフナイディル村のシリア側に拠点を置いたという。
一部の地元筋は、先般行われたレバノン・シリア首脳会談で国境の管理について話し合われたことの実務的な成果の一環として今回の措置がとられたのではないかと語っている。アリーダおよびアッブーディーヤの両国の国境通過地点における動きは平常どおりであった。
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( 翻訳者:梶原夏海 )
( 記事ID:14801 )