AFC代表「サッカーのテレビ放映料では妥協せず」
2008年09月29日付 E'temad-e Melli 紙

【エッテマーデ・メッリー】アジア・サッカー連盟の代表は、アーザル月5日(11月25日)がイラン・サッカーが〔正式な契約に基づいて〕テレビ放映料を手に入れ、アジア・チャンピオンリーグへの出場枠を獲得できる最終期限であると発表した。

 アジア・サッカー連盟(AFC)の日本人委員の鈴木代表は昨日、イラン・サッカーをめぐる状況の最終チェックのため同僚らとテヘラン入りし、イラン・サッカー協会の責任者らと長時間にわたり話し合いを行った。

 鈴木氏によると、大方の問題に関してはイラン側の条件は受け入れられたが、テレビ放映料をめぐる問題は未解決のまま残されているという。今回がAFC代表団にとって最後のイラン訪問であり、従来の発表通り、アーザル月5日には、イランをはじめとするすべての国々のアジア・チャンピオンリーグでの出場枠が確定する予定である。

 他方、イラン国営放送は依然として自らの立場に固執しており、最近の公式見解でもサッカーをはじめとする〔国内の〕スポーツ中継のために放映料を支払うことは一銭たりとも許されていないと明言している。
〔訳注:これは2002年、スポーツ中継の放映料を各スポーツ協会に支払うことを義務づける法案が国会によって可決されたものの、その後同法案は護憲評議会によって却下され、最終的に同年、国会と護憲評議会の対立を仲裁する公益判別評議会によって、イラン国営放送が放映料を支払うことは認められないとする判断が下されたことにもとづく。一部の人気スポーツにスポーツ中継が偏る危険性などが、その理由として挙げられている。これに対してAFCは、後述のように、放送局と放映料についてきちんとした契約を結ぶことが、AFCの推進するサッカー・プロリーグ化の必須要件だとみなしている。〕

 しかし、鈴木氏によれば、このようなイラン国営放送の主張はAFCにとって全く受け容れがたいことだという。「イラン・サッカー協会とイランのテレビ放送局は、スポーツ中継に関し包括的な契約を締結せねばならない。AFCはこの点を強く主張する。イランのテレビ放送局は、人々に敬意を示し、サッカーの試合の放映料を支払うべきだ」。

 AFC代表は、クラブ運営の商業化については前向きな結論に達したとし、また観客数やチケット販売数、クラブの収益の増加等の問題についても、かなり期待できるようになったとしたが、その一方でAFCは依然としてテレビ放映料に関して懸念を抱いていることを強調している。「私はイランに先立ちインドネシア、ウズベキスタン、サウジアラビアの3カ国を訪問した。これらすべての国において、サッカー協会とテレビ放送局は非常によい契約を結んでいる。私はイランでもそれが実現するよう望んでいる」。

 アジア・プロリーグ委員会の委員であるモフセン・サファーイー=ファラーハーニー氏によると、AFCの同委員会の最近の会議においてイランは出場枠を1つだけ確保しており、その出場枠はイラン一部リーグの覇者「ペルセポリス」に与えられるが、その他の出場枠に関してはまだ決定がなされていないとのことだ。

 同委員はISNAとのインタビューの中で、「AFCが要求する条件、特にテレビ放映料をめぐるそれを満たしてはじめてイランの出場枠は増加する」と強調している。

 これらのエピソードはすべて、同問題が極めて重要であることを物語っている。しかしそれでもイラン国営放送は依然として、〔アジア・〕サッカー〔連盟〕に対して抵抗する構えを崩していない。

 イラン国営放送のこの問題への執着は極めて強く、イラン・サッカー協会のアリー・キャッファーシヤーン会長が、同協会は上記問題の解決のために最高指導者事務所や大統領府、全国査察機関宛に書簡を送り、さらに公益判別評議会にも書簡を送付する予定だと公言したほどだ。

 土曜日(9月27日)、公益判別評議会のモハンマド・ジャヴァード・イーラヴァーニー委員は、政府に対しこの問題に関する第二種緊急法案を国会に提出するよう提案し、同評議会は同問題について検討する用意があると強調した。

 同委員の発言は、この問題がいかに重要であるかを物語っており、専門家らは上記問題の解決へ向けた公益判別評議会の「グリーン・シグナル」であると確信している。

 アリー・キャッファーシヤーン会長はこれに関連し、「イラン国営放送が声明の中で引用した法律は、7、8年前のものである。現在ではかなり状況が変わっており、AFCは以前と異なりテレビ放映料にこだわりを見せている。同問題は以前ならば特に注目されるようなものではなかったかもしれないが、今や各国でのサッカー・プロ化にとって条件の一つとなっており、イラン国営放送もこのことに注意を払うべきだ」と話した。

 これに関連して着目すべきは、国会までもが動き出し、同問題の検討に当たる構えを見せていることである。

 国会体育委員会のジャラール・ヤフヤーザーデ委員は次のように語っている。「本件に関し国会文化委員会のハッダード=アーデル委員長及び国会スポーツ議連のオミードヴァール・レザーイー会長と話し合いを行った。受け入れ可能な結論が得られるよう、本件に関する第6期国会〔2000-2004年〕での審議内容についても再点検を行うつもりだ」。

 サッカー協会のメフディー・タージュ第1副会長は本件に関し、「テレビ放映料をめぐる議論は、もはや好き嫌いの問題ではなく、しなければならない問題である。今後AFC代表団との話し合いは行われず、アーザル月5日までに彼らに結果を通知せねばならないのだ」と語った。

女性がスタジアムに入場できる日に期待

 アジア・サッカー連盟がアジア・サッカーのクラブ・プロ化で重点を置いている問題の一つに、スタジアムへの女性の入場問題がある。近い将来、この問題もアジアで解決が求められることになるだろう。

 AFCの鈴木代表は昨日の会議終了後、これに関し次のように述べた。「イランの女子サッカーの問題は、大きく改善したと確信している。あとは、女性がスポーツ・スタジアムに入場し、試合を間近で見られるよう、条件を整える必要がある。イラン・サッカー協会も安全面から必要な設備を整備すべきだ。今日、イランのサッカー・クラブには女性チームもあるという大変喜ばしい話を耳にした。将来イラン人女性によるプロ試合が間違いなく行われるだろう」。

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( 翻訳者:柴田愛子 )
( 記事ID:14835 )