新婦の「婚資金」に7冊の本:キャラジで
2008年10月13日付 Jam-e Jam 紙

【事件部】キャラジ在住の新婦が土曜日の夕方、たった7冊の本を婚資金(メフリーエ)にして運命の家に嫁いだ。
〔※訳注:婚資金(メフリーエ)とは、夫が妻と離婚する時に妻に支払う保証金のこと。イランでは結婚契約の際に、この額をあらかじめ指定しておく。一般的には現金や金の場合が多い〕

 IRNA(イラン国営通信)の報道によると、彼女はメフリーエをたった7冊の本にしたことについて、「一般論として、メフリーエが高ければいいとは思わないの。たとえメフリーエが高くても、いい人生が保証されるわけではないですから」と述べた。

 彼女は、「とはいえ、結婚などに関わる過去の伝統については、非常に尊重しています。そこで、私は文学・詩が好きなので、イランの有名な作家や詩人の本7冊をメフリーエとして選んだわけです」 と述べた。

 この新婦は、〔一般的に新郎から新婦に贈られる〕聖コーラン・鏡・燭代に加え、『ハーフェズ詩集』、フェルドウスィーの『王書』、モウラーナーの『精神的マスナヴィー』、『シャムス・タブリーズィー詩集』、『サアディー全集』、ニザーミー・ギャンジャヴィーの『七人像』、ハイヤームの『ルバイヤート』をメフリーエとして選んだ。

 この婚姻は、デラフティー通りにあるキャラジ家族事務所第5号に届け出が行われた。

 タレゴル・ガーズィーザーデさん〔新郎〕とアーリヤー・ハサンザーデさん〔新婦〕の結婚の保証人となったアリー・タグディースィーさんも、常識的な額のメフリーエを設定する風潮が広まりつつあることに目を細めながら、「おそらくみなさんは、メフリーエが多いとか少ないとかいうことが〔私のような〕結婚保証人に何の関係があるのかと、お思いのことでしょう。しかし個人的な意見を言わせてもらえば、今回のような新婦が結婚するのを目にすることは、私にとっても気持ちの良いことなのです」と語った。

 タグディースィーさんは、「残念ながら、特にここ最近は法外なメフリーエが設定されるなど、間違った文化が世にはびこっています。このような文化は私たちの宗教の教えにはそぐわないものです」と述べ、さらに「カップルは、よき伝統であるメフリーエに対しては、支払い可能な額を設定すべきです」と話す。

 タグディースィーさんによると、適当な額のメフリーエを設定することの重要性を無視したために、〔離婚の際に〕裁判沙汰になり、ときには刑務所に入れられたりする新郎が少なくないとのことである。

 「私が新郎新婦の保証人を務めるようになって7年以上になりますが、メフリーエが角砂糖一個とか、8.33グラム金貨一枚とかいうケースも中にはありました」。

 タグディースィーさんは「その一方で、たとえば1,300本ほどのバラやチュベローズをメフリーエとするケースもありました。また新婦の誕生日を基準にして、バラの代わりに8.33グラム金貨〔の枚数〕を決めるケースもありました」と述べた。
〔訳注:イラン暦は西暦621/2年を初年とする。そのため今年はイラン暦で1387年にあたり、現在20歳の若者は1367年生まれということになる。つまり、20歳の女性が結婚した場合、バラないしは金貨の数が1367本(枚)になる〕

 彼はメフリーエの額を決める最良の方法とは、イスラーム法や社会の慣習を遵守することであるとし、「若者は、メフリーエとは要求があり次第、支払わねばならないものであるということをよく理解することが大切です。つまり女性がいかなる理由であれ、それを要求した場合には、男性は必ずそれを支払わねばならないということです」と注意を促す。

 タグディースィーさんは、「われわれイスラーム教徒には、よき結婚の伝統について清浄なる〔12人の〕イマームたちが示したような、偉大なる手本や伝説があります。それらを手本とすることで、甘美で誇り高い、素晴らしき人生のあり方を社会に広めることができるのです」と述べている。

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( 翻訳者:大石容子 )
( 記事ID:15000 )