民主市民党の妨害行動のなか、エルドアン首相ヴァンで演説
2008年11月02日付 Hurriyet 紙

通りで激しい抗議運動が起こる中、スピーチしたエルドアン首相は、DTP(民主市民党)とテロ組織PKK(クルド労働者党)を厳しく批判し、「人間を脅威でもってうごかすことはできない。そのため民主主義の必要性に従い、話し合おうと言っているのだ。さあ、ここに来て話し合おう。武器を置いて」と述べた。

タイイプ・エルドアン首相は昨日(11月1日)、民主市民党の呼びかけによる激しい抗議運動の中、ヴァンを訪れた。ヴァンでは「民主主義を語るならばまず武器を捨てなさい。人々を脅威でもって動かすことはできない」と語った。首相は、フェリト・メレン大通りで行なわれた(諸施設の)開所記念式典で、民主市民党と分離派グループPKKに向けて、以下のように述べた。

■私は、彼らが考えているのは違う種類の首相だ。
「夢や目標を持たない人々が、タイヤに火をつけ、車に放火している。(民主市民党やPKKは)口では、「首相がどうしてここへ来るのだ?一国の首相としてここを訪れるよりも重要な仕事はないのか?」と言っている。しかし彼らがここへ来ないとき、私はここにいたのだ。これは私のヴァンへの5度目の訪問だ。もちろんこれまでこの地方の人は、首相を目にするのに慣れていなかっただろう。私は、彼らが考えているのは違う種類の首相だ。訪れない場所は1メートル四方も残らないだろう。どこへでも行く。かならず行く。(民主市民党やPKKにそそのかされた)人々が武器を手にしているとき、ヴァンの私たちの子供たちは、コンピューターのキーボードをたたいている。違いはまさにここにある。さあ、平和を、というのならば、ここに来て、この現実をごらんなさい。もし平和を望むなら、ここに来て懐を開きなさい。人々に対し『武器を捨てよ』と言いなさい。我々の目的はつまり、そういうことです。我々は武器を携えて町をうろつく人々に反対です。我々は、一人の人間を殺すことは全人類を殺すことだと信じています。そして我々は、一人の人間に生を与えることは、全人類に生を与えることになると信じています。違いはここにあるのです。」

■国民を煽っている
「彼らは、あるところでは、人権を、自由をといっている。では、民主主義は、自由はどこにあるのか?武器の力を借りて、人々に言うことを聞かせているものに民主主義を語る資格はありません。民主主義を語るというのは、国民の意志、人々の意志に敬意を表すということです。人々を脅威でもって動かすことは出来ません。そのため民主主義の求めるところに従い、話し合おうと言っているのです。さあ、ここに来て話し合いましょう。武器でではなく。話し合いです。私は誰に対しても敬意を払います。
 テロ組織が恐れていることは、この地域の人々が行政サービスを受け、安心・安全な暮らしをおくることです。そうすればつけいる隙を見つけることが出来なくなる。つけ入ることができないから、今、私たちの国民を扇動し、嘘をつき、騙しているのです。最彼らが恐れているのは、(今日、開業を迎える、こうした)行政サービスなのです。それが彼らをパニックに陥れたのです。」

■トルコ共和国の国民であること
 「私たちは、テロの難しい問題を解決します。地域を発展させます。人々を幸せにします。我々の政策は、トルコ人とクルド人の兄弟関係に決して損害を与えません。その間に不調和を差し込むことはありません。友愛の法を誰も傷つけることはできません。何民族であれ、我々の国民は、みな兄弟です。運命をともにし、同じ道を歩くものです。もちろん、クルド人はクルド人らしさで、トルコ人はトルコ人らしさで、讃えられる。当然です。ラズやチェルケスも同じです。しかしひとつ忘れてはならないことは、これらの上位に、トルコ共和国国民としてのアイデンティティがあることだ。しかし、彼らは、この道を誤らせようとしている。これに隙を与えてはいけない。口実を与えてはいけません。西と東の違いを必ずなくしてみせます。」

■警備
エルドアン首相訪問に際して昨日(11月1日)ヴァンでは特別厳戒態勢が取られた。すべて首相府のナンバープレートをつけたメルセデスが2台、ボルボが1台の計3台の公用車が持ち込まれ、陽動作戦がとられた。エルドアン首相が空港からスピーチ予定の会場に移動する際のルートは最終段階で変更がなされた。首相の周囲ではボディーガードが人間の盾となり、何かが投げ込まれたときに備え、手に傘をもっていた。また装甲車の特別警戒警官らも、いつでも撃てるように自動ライフル銃をかまえ、緊張した警備を行った。

■警官に投石
エルドアン首相が空港に降り立った時刻、ヴァンの中心地で事件が起きた。11時30分ごろ共和国通りの裏通りに集まった2つの別々のグループがエルドアンに反対するスローガンを叫んだ。暴徒らは安全警備隊を石の雨で攻撃し、警官は空中に警告の発砲。また催涙ガスが使用された。

■13名が負傷、44名逮捕
ヴァンでの事件で警官6名を含む13名が負傷。負傷者の1名は暴徒らの投げた石で頭部に重傷を負い、また投げられた石のひとつで警官1名が鼻を骨折した。44名の暴徒が逮捕。通りを戦場に変えた顔をマスクで隠した暴徒らはテロ組織PKKを象徴する横断幕を広げた。

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この記事の原文はこちら
ヴァンでの演説の様子

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( 翻訳者:原田星来 )
( 記事ID:15036 )