話題の映画「ムフタファ」をお気に召さない人たち
2008年11月02日付 Yeni Safak 紙

アタテュルク主義思想協会は、映画「ムスタファ」がアタテュルク革命を崩壊させる映画であると主張し、「彼らはそれを成し遂げられないだろう」という見出しでブラックジョークの一例となるような声明を発表した。

映画はなぜアタテュルクがカラスを追い払う場面から始まるのか

身長の高い者たちと並べて見せ、身長が低いことが強調されている

1日にラクの大瓶を一本飲んでいたと語り、大酒飲みだった横顔を描いている

最後のスルタンであるメフメト6世に対し、なぜ祖国に対する反逆者という扱いがなされていないのか

 共和人民党のバイカル党首、民主左派党のセゼル党首に続き、アタテュルク主義思想協会も、ジャン・デュンダル氏がアタテュルクの人間的な側面を描くと主張する映画「ムスタファ」に対し、火を吐くような怒りを顕にした。同協会は、アタテュルクがカラスを追い払う場面から映画が始まること、そして身長が低い人物として描写されていることを厳しく非難する一方、「メフメト6世はなぜ祖国の反逆者ではないのか」と追及した。

 アタテュルク主義思想協会総本部から同協会の諸支部に対し、スアイ・カラマン事務局長の署名付きの「彼らはそれを成し遂げられない」という見出しの通達が送付された。その中でこの映画については、「帝国主義の賛同者、シャリーア主義者、そして狡猾な共和主義者らが長年協力してアタテュルクを貶めようと、革命を崩壊させようと努めている。だがこれら全てに、そしてその他の多くのものに共通する点がある。彼らは誤っており、そして成し遂げられないだろう」と述べられた。

■ムスタファという名は盗用
 協会は、映画が(観客の)意識下に異なるアタテュルク像をつくり出そうとしていると述べ、このような映画はトルコ国民に対して、そしてアタテュルクに対して非常に無責任であると主張している。スアイ・カラマン氏によると映画のタイトルも盗用である。
「映画のタイトルから始めましょう。ジャン・デュンダル氏が最も良くやったことは盗用だ。サル・ゼイベクという名称も最初に自分が思いついたと話したことがある。『ムスタファ』というタイトルも『私が思いついた』と言ったが、メフメト・ラクム・チャラパラが1944年に執筆した『ムスタファ:アタテュルクの小説』という著作を皆が忘れたとでも思ったのだろう」

■メフメト6世はなぜ反逆者ではないのか
 オスマン帝国の最後のスルタンに関する部分も、協会から強い反発を買った。
「チャナッカレの海戦にはアタテュルクはいなかったが、前線からからコリン婦人に書いた手紙がある。アタテュルクは、イスタンブルで煌びやかな生活を送っていた時分に、全ての金銭を高利貸しにもぎ取られてしまったらしい。これを受けてアナトリアへ移ろうと決心したらしい。サムスンに行く前にも宮殿でメフメト6世と会っている。会談でメフメト6世はアタテュルクに、『パシャ、この国をあなたなら救うことができます、そして英雄として書物に書かれ追懐されるのです』と言う。つまりメフメト6世は祖国の反逆者ではないのだが、どういうことなのか我々は誤解してしまったらしい」

■ムスタファはカラスを追い払わない
 アタテュルクがカラスを追い払う場面で映画が始まることが批判の対象となった。アタテュルクの身長が低いことも協会の反発を招いた。
「無意味な形でアタテュルクの背後に身長の高い男たちが写っている写真が示された後、あるフランスの新聞でいかに身長が低いかが強調される。トルコ大国民議会を金曜礼拝の後に、祈りの言葉を読誦させて開会したのに、最後のシーンでは無宗教であったことが強調されようとしている。ジャン・デュンダル氏の解釈によるとアタテュルクは将来、実現させる目標に到達するためにこのように振る舞っている。映画ではアタテュルクについて、『一日にラクの大瓶を1本、煙草を3箱、コーヒーを15杯消費していた』と語られ、酒が好きな大酒のみという横顔が描かれている」

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( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:15037 )