サウジアラビアが宗教対話会議にイスラエルを招待
2008年10月30日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ イスラエル、ニューヨークでの宗教対話会議にサウジアラビアから歴史的な招待
■ リブニ外相とペレス大統領が参加を検討
2008年10月30日付クドゥス・アラビー(イギリス)HP1面
【ナザレ:ズヘイル・アンドラウス】
昨日(29日)水曜日にイスラエルの公式筋が明らかにしたところによると、サウジアラビアのアブドゥッラー・ブン・アブドゥルアズィーズ国王が、11月12日に米ニューヨークで開催される宗教会議にイスラエルを招待することにゴーサインを出した。
イスラエルのイディオット・アハロノート紙によると、イスラエル政界はこの招待を非常に重視しており、歴史的だとみなしている。というのもイスラエル政府筋によれば、サウジアラビアが自ら主催する会議への参加をイスラエルに呼びかけたのはこれが初めてだからである。
サウジアラビアはスペインの首都マドリードで7月に宗教対話会議を開催した際にはイスラエルに参加を呼びかけることなく、イスラエルの宗教家のみの招待にとどめたとイスラエル筋は指摘する。
同筋によれば、サウジアラビアはイスラエルを含め192カ国を招待しており、招待の文面には中東和平実現のためのサウジアラビア・イニシアチブへの言及があるという。サウジアラビア・イニシアチブは2002年3月にベイルートで開催されたアラブサミットにおいて、アラブ和平提案として採択された。当時イスラエルの国防相であったベンヤミン・ベン・エリエゼル(労働党)はこの和平提案について、シオニズム運動史上最大の成果だと評していた。
サウジアラビアがニューヨークで開催する会議は外相や首相など高官レベルのものであり、イスラエルのシモン・ペレス大統領とカディマ党の党首でもあるツィピ・リブニ外相が、来月のその会議への参加を真剣に検討しているという。
ペレス大統領は数日前、地域和平実現の必要性を主張し、イスラエルはアラブ各国との二国間解決は避けるべきだと発言していた。マアリブ紙の政治アナリスト、ベン・カスピート氏が先週明らかにしたところによると、エフード・バラク国防相とリブニ外相はペレス大統領と同じ意見であり、サウジアラビアが中東で中心的役割を担っていると見ているとのことである。
イディオット・アハロノート紙の政治記者は、ペレス大統領がサウジアラビアの呼びかけに応じることは、サウジアラビアのイニシアチブを基にアラブ連盟を通じてアラブ諸国との地域和平へ到達するという、「ペレスの夢」への一歩だと主張した。
(後略)
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( 翻訳者:梅原春奈 )
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