イェニカプ遺跡、8千年前の墓地の発掘進展中―機械導入は当面、困難
2008年11月09日付 Milliyet 紙
マルマライ地下鉄建設プロジェクトの一環で発掘が行われているイェニカプで、「陶棺」型で、8000年もの歴史をもつ墓地が発見された。発掘隊長でイスタンブル考古学博物館館長のカラムト博士は、発掘を当面、手作業で続けると述べた。
マルマライ地下鉄建設工事の一環で作業用機械が導入される予定の新石器時代の湿地帯の中で、「陶棺」が埋められた、8000年前の墓地が発見された。アナトリア史上最古の墓地が発見されたことで、ローマ、ビザンツ、そしてトルコ人の支配のもと何世紀もの間続いてきたイスタンブルに、歴史上最初の人間集団が生きたことが確定したことになる。
専門家たちはこれらの墓地を興奮すべきものと述べる一方、発掘隊長でイスタンブル考古学博物館館長のイスマイル・マラムト博士は発掘を当面、手作業で続け、機械を導入するか否かは後で決定する予定だと述べた。
古代の墓地で行われた埋葬は、多くは普通の土葬だが、ある時期には火葬も見られた。火葬され埋葬された死者の灰と火葬儀式から残された品々は多くの場合、「陶棺」に、時には棺と蓋からなる「石棺」と呼ばれる小さな石の入れ物の中に入れられていた。
火葬、つまり遺体が焼かれた場合、死者の衣服、装飾品、またはたとえば矢傷で死んだ場合はその矢も棺に入れられるのが常だった。知られている火葬の形式は、アナトリア考古学ではこれまで初期青銅器時代に確認されているが、8000年前の新石器時代の発掘で発見されたことはなかった。
■赤ん坊の骨も出土
この種の埋葬形態は、初めてイスタンブルの中心部イェニカプで続けられているマルマライ発掘現場で先週、発見された。陶棺の中に死者の個人的な遺品と布で包まれた灰、そしてその上に日常的に使われていた器が置かれているのが発見された。さらにある陶棺の中から、赤ん坊の骨が見つかった。
専門家たちは、ここが墓地であった可能性が高いと述べている。そして谷底や他の場所から運ばれたとする、以前発見された出土品についての見解が最新の発見によって否定されたと述べた。
発見された墓地は、世界史という観点からもイスタンブルをこれまでとは違う位置づけにするだろうことが明らかにされた。
■火葬場も発見できるかも
フィールドで発掘を続ける考古学者たちは、考古学史の観点から極めて重視すべき発見の後、ここに機械を導入する考えをあきらめる必要があると明らかにした。考古学者たちは発掘が続けば、火葬場が発見される可能性があると説明している。
■「疑いなく非常に重要な発見」
発掘隊長のイスマイル・カラムト博士は、発見された墓地が「疑いなく非常に重要な発見」であると述べ、次のように話した。
「とはいえ、お話しするのは時期尚早です。私たちは発掘を続けています。近い将来、発掘の結果を世論と共有するつもりです。私は発掘現場に行って、出土品を見ました。月曜日には地質学者にも同行してもらう予定です。110メートルのあの湿地エリアの中で出土しました。これら出土品は調査の後、また発掘は続けられ、それらの結果によって評価付けを行います」
考古学者学会イスタンブル支部長のネジミ・カルル准教授も次のように述べた。
「アナトリア考古学において新石器時代に、陶棺が出土したことはまったくありませんでした。信じられないくらい刺激的な発見です。隣同士並んで発見されたことから、ここが墓地だったことは確実です。5800~6000年代、新石器時代後期のものです。特別な作業用機械が話題になっていましたが、発掘隊長は機械が準備されるまでの間、発掘を続けさせ、これが結果につながりました。発掘隊長が発掘を止めさせなかったことを讃えるべきだと思います」
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( 翻訳者:永山明子 )
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