「憲法裁判所には民主的合法性に問題がある」 ジャン査読官、憲法裁判所を批判
2008年11月11日付 Yeni Safak 紙

憲法裁判所を強い口調で批判しているオスマン・ジャン査読官は、「憲法裁判所には民主的合法性の問題がある」と話した。

ビルケント大学とドイツ国際司法連合会が主催した「各国憲法における不可変(修正不可能)原則」に関するシンポジウムで発言したオスマン・ジャン憲法裁判所査読官は、トルコにおいては百年以上もの間、1924年憲法を除いて、「勅令憲法」が効力を持っていたと語った。ジャン査読官は、トルコ共和国憲法における「不可変原則」は、他の国の憲法のそれと比べても、論拠が極めて希薄だと述べた。

自らの発言は憲法裁判所を何ら拘束するものではなく、学問的自由という枠組みの中で話すつもりだと語ったジャン査読官は、「不可変原則」の中には「国歌、あるいは『国家の言語はトルコ語である』」といった「おもしろい表現」があると述べ、「『国家の言語』ではなく、『国家の公用語』」とすべきであると主張した。

憲法が改正される際、「不可変原則」の条項に触れることは避けられないと語ったジャン査読官は、次のように話した。「なぜなら憲法を改正するということは、現憲法に同意できないということであり、法改正も、その法に同意できないということである。そして同意できない要素を排除するのである」そして、「トルコの憲法裁判所には民主的合法性という問題があります。トルコの司法制度にこそ民主的合法性の問題がある」と話したジャン査読官は、憲法裁判所は、自身が「憲法改正の権能」に対立する立場にあることで、「憲法の番人」となっていると強調した。

■憲法裁判所はだまされている
ジャン査読官は、憲法は、世俗主義の憲法であると同時に、「不可変原則」が柔軟性や機能性に反する考えをもたらすことになると語り、「不可変原則」を基本とすることこそ、民主的要求と政治的諸要素との衝突を作り出すことになるのだと述べた。憲法裁判所は政治的判断を行うことができないはずであり、そして法の執行あるいは制定にも口を挟めないはずだと主張するジャン査読官は、「こうした状況は、議会がつまりは政治舞台に立つ者たちが、憲法裁判所に一部の政治的判断を負わせ、憲法裁判所はまさにこれにだまされていることで生み出されているのだ」と話した。

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( 翻訳者:萩原絵理香 )
( 記事ID:15104 )