アクバンクの突然の人員整理に揺れる市場 1000人以上を解雇?
2008年11月18日付 Yeni Safak 紙
2007年に2,700人を雇用し、2008年にも新たに1,400人を雇用すると公表したアクバンクが突然の決定により、1,000人以上の従業員を解雇したと言われている。アクバンクはこれに関してコメントを避けている。
経済市場は、2006年に20パーセントの株式がシティバンクに売却されたアクバンクの従業員解雇のニュースに動揺している。銀行業界最大手のひとつであるアクバンクが、1,000人以上の従業員を、早期退職や解雇により人員整理しているとみられている。
■ 株式市場には公表せず
「トルコの銀行システムは強固」と言われる今日、アクバンクのニュースは世間を困惑させている。アクバンクのマスコミ・広報部門はこの件に関する説明は行っていない。インターネットサイトでの主張によれば、アクバンクが解雇した従業員数は、1,000人から2,200人の間で異なる数値が述べられている。ある管理職は、解雇者数は1,020人であることを明らかにした。アクバンクは、イスタンブル証券取引所で株式取引をされているが、投資家に情報公開するための説明を行っていない。
■ 共同出資者は不安に
ニュースの信ぴょう性を確かめるために我々が電話取材を試みたアクバンクでは、頭取のスザン・サバンジュ・ディンチェル氏を含む責任者は誰も出てこない一方で、以前に一部のウェブサイトに電話で「この件に関しての真否はコメントできない」として見解を述べたハイリ・チュルハジュ取締役補佐も、部下と共に休暇をとっていることが明らかにされている。このニュースを受けて、アクバンクとイスタンブル証券取引所に電話をかけた多くの株主も、同社からいかなる説明もないために、「貸借対照表に共同出資者に隠され、公開されていない何かがあるのか」といった不安に駆られていることがわかった。この間、株式取引所が行った説明によると、同社は最新の貸借対照表に掲載している従業員数の10パーセント以下の従業員を解雇する場合、特別な状況説明をする必要がない。
■ローン返済に問題発生か
労働法第29条によると、30人以上の解雇は集団解雇と定義されている。集団解雇がなされるには、企業が深刻な経営不振であることが明記されている。市場専門家は、アクバンクを解雇された従業員のうち、定年退職の時期が近い者以外に、新規に雇用されたばかりの従業員も含まれているが、そのアクバンクが10月末まで従業員を雇用していたことに注意を引き、アクバンクがローン返済に問題を抱えている可能性があると示唆した。アクバンクの集団解雇ははじめてではなく、2000年の経済危機と2005年にも大規模な従業員の解雇を行ったことが知られている。従業員解雇は今後も続く可能性があるといわれている。
■ 人的資源は非常に重要
2007年に2,700人を雇用したアクバンクのザフェル・クルトゥル取締役は、2008年上半期に純利益を12億1500万新トルコリラと発表する一方で、アクバンクにとって人的資源は非常に重要であると述べ、「2008年末には正社員が15,900人に到達する予定であり、正社員は約1,400人増加する」と述べていた。
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( 翻訳者:大田垣綾子 )
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