イラク情勢(政府の治安協定承認に対する反応):シーア派最高権威、外国軍撤退を第一に
2008年11月19日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ シスターニー、「軍撤退合意」をまず第一に

2008年11月19日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【ナジャフ:アリー・シュマヒー(本紙)、諸通信社】

シスターニー師は、「軍撤退協定」により、イラクにおける外国軍駐留を終わらせ国連憲章第7章(*)から脱却する事が最優先であるとの見方を示した。

イラク国民会議党党首アフマド・チャラビー博士は、ナジャフのシーア派最高権威(アヤトッラー・オズマ)アリー・シスターニー師を同地の事務所に訪問した。シスターニー師事務所に近い筋が本紙に伝えたところによれば、会見は、最新のイラク情勢、バグダードとワシントンの治安協定を巡るものであった。

昨日火曜(18日)、政府がワシントンとの治安協定を承認して以来初のコメントとして、シスターニー師側は、外国軍の駐留を終結させる協定はイラクの主権を尊重すべきで、それは国民の合意を得なくてはならないと述べた。

同師事務所の声明によれば、「イラクにおける外国軍駐留を終わらせ、この国を国連憲章第7章から脱却させる協定は、二つの原則に基づき構築されるべきである。一つは、現在そして未来におけるイラク国民の利益が、イラクの主権、国家の治安と安定の実現を通じて、基本的レベルで代表される事。もう一つは、その協定には国民の合意を得ること。つまり、イラク国民の様々なグループ、主要政治勢力の支持を得ることである。そのようにシスターニー師は、この数日、数週間のあいだ様々な政治勢力の代表たちに伝えてきた」。


他方、昨日火曜、タラバーニー大統領は、イラク国民対話戦線の長サーリフ・アル=マトラクと共に、イラクから米軍を撤退させる協定について検討した。

声明によれば、大統領は、「この協定が政治経済各方面でイラクの将来に肯定的に反映することの重要性」を示唆した。


*国連憲章第7章「平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動」は、加盟国による軍事的強制措置に関する条項を含み、対イラク侵攻占領の根拠とされる。

Tweet
シェア


この記事の原文はこちら

 同じジャンルの記事を見る


( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:15160 )