共和人民党の宗教寛容路線、今度はイマーム退職者を区長候補に
2008年11月23日付 Radikal 紙
共和人民党で「チャルシャフ(黒色長衣)着用の党員」に関する議論が急速に進む一方、新たな展開が生まれた。共和人民党の元国会議員候補でありスルタン・アフメト・モスクの元イマーム、オスマン・ヌリ・ベディル氏が共和人民党のイスタンブル、スルタンベイリ区長候補に擁立されることがほぼ確実となった。
アクシャム紙の情報によるとオスマン・ヌリ・ベディル氏は、近親者もチャルシャフやスカーフを着用していると述べ、「これは、選挙材料ではなく、地方選挙にも関係はない。共和人民党がそれまでの自らの誤解、誤認識に対し出した結論である」と話した。ベディル氏も、ギュルセル・テキン・イスタンブル支部長同様チャルシャフ容認に反対する人々に反発を示している。
■先輩方の評価
ベディル氏は、立候補に関する質問には、「我々の認識では、任務は求められるものではなく与えられるものである。我々もいかなる任務が与えられようと、それを全力で実行するよう努力するつもりだ。約2年間我々は、党のために働いてきた。先輩方も評価してくださっている。あらゆる任務に我々は誇りを感じる。我々の党、我々の国民、そして我々の国家の勝利のため責任を負うのを厭わない。私にとってどんな任務がふさわしいか、考えていただいているとしても、どれであれ重要な任務である」と返答した。
■イマーム退職者らは共和人民党を支援するだろう
2007年7月22日の総選挙ではイスタンブル3区において(共和人民党内)第10位の国会議員候補となったベディル氏は、国会議員職のために8年間務めたスルタン・アフメト・モスクのイマーム職を辞職した。親族が共和人民党の党バッチを着けたチャルシャフを着用したため、世論の話題に上ったスルタンガーズィ区長候補の立候補者エルジャン・カラバユル氏と同様エルズルム出身のベディル氏は、党によるチャルシャフ容認は満足すべきことだと述べ、「我々が拓いたこの道において人々が好意を示し、我々の党に顔を向けてくれるのは幸いだ。出発地点のみを見ている人々は、まとまった形で我々が様々なことに関わっていくのをいずれ目にするはずであると、私は信じている。あなた方が夢想だにしないほど、わが党への参加が見られるだろう。国民による政権の足音が多分近づいている」語った。
ベディル氏は、イマーム退職者らもこの件で支持してくれていると話し、「退職したイマームらと会ったところ、我々を支持してくれる人、関係を保ってくれる人がいる。こういった人達の配偶者や家族も我々を支援してくれている。大きな支援があるのを私は満足してみている。このチャルシャフ容認は、無宗教的な発言をしているとして共和人民党を中傷してきた者たちの顔に、平手打ちを喰らわせている」と語った。
■私の周囲にはハーフィズやムフティー
共和人民党の元イマーム、ベディル氏は、「昨年死去した私の父は宗務庁の常任イマームを40年間努めた。私の周囲は皆ハーフィズ(コーランを全て暗誦している者)、ムフティー、コーラン学校の教師だ。だが我々の中に狂信的な、または頑迷な部分はない。私はイマーム職を務めている時にも、共和人民党に投票して、礼拝もきちんと行う人々を多く見てきた。つまり我々だって普通の国民なのだ。ムスタファ・ケマルの人生を伝える本を何十冊も持っている。イマーム職を務めていた間にはイスマイル・ジェム、エルダル・イノニュといった有名な政治家らと親交を結んだ。共和人民党の党員になるや、私の周囲には批判する者も出てきた」と話した。
■ムスタファ・ケマル・パシャが築いた
デニズ・バイカル党首が行ったチャルシャフ容認が大きな成功であったと強調するベディル氏は、「あらゆる種類の信仰、あらゆる種類の身なりに敬意を表し、こういった人々を受け入れることは、ムスタファ・ケマル・パシャが築いた道を辿ることである。アタテュルクが祖国解放戦争において、トルコ共和国の建国においてターバンや法衣を着用した人達と腕を組んでいる写真を否定することはできない」と話した。
チャルシャフ容認は地方選挙と関係がないと述べたベディル氏は、この状態を、「この容認は、共和人民党がそれまでの自らの誤解や誤認識に対し出した結論である。あらゆる信仰に敬意を表し、君の信仰が何であれ構わないという論理だ。人々はもはや、公正発展党やその他の諸政党が長年公約に掲げながら解決することのできなかった問題を、共和人民党が解決するだろうと信じている」という形で説明した。ベディル氏は、共和人民党については宗教的活動に対し反感を示し、反対の立場を採る、宗教に対し冷淡な政党であろうといった常套句がなくなったと話した。
この記事の原文はこちら
( 翻訳者:岩根匡宏 )
( 記事ID:15176 )