パレスチナ内部対話をボイコットしたハマースのマシュアル政治局長にエジプト側責任者が警告
2008年11月17日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ガザで再停戦が実現しなければ全面戦争勃発の恐れがあるとエジプト政府が懸念
■ スレイマーン情報長官、対話をボイコットしたマシュアル政治局長に対し、高価な代償を払うことになると警告
■ オルメルト元首相はハマース抹消計画を希望、バラク国防相は元首相に今後の帰結を警告

【ナザレ:本紙ズヘイル・アンドラウス】

 エジプトの政策決定者とハマースとの間で、かつてない緊張関係が続いている。パレスチナの観測筋が先日日曜、本紙に明かしたところによれば、パレスチナ国民対話に参加するためにカイロを訪れていた数人のパレスチナ指導者と面会した際、エジプトのウマル・スレイマーン情報長官は極めて神経を高ぶらせ、緊張した様子で、彼らに対話の中止を告げたという。

 スレイマーン長官は対話失敗の責任はハマースのマシュアル政治局長にあるとして、「マシュアル政治局長はあらゆる政治的・組織的圧力を掛けて、内外のハマース指導部にカイロ行きを断念させ、イスラーム聖戦とPFLP-GC(パレスチナ解放人民戦線総司令部派)とサーイカにも同様の決定をさせた。ダマスカスで行われたこの4派の会合に出席したイスラーム聖戦のナーフィズ・アッザームとムハンマド・アル=ヒンディー両指導者は、対話に参加する必要があるとの見解を述べていたというのに」と指摘した。

 同筋によれば、スレイマーン情報長官とその補佐官らにとってハマースの決定は驚きだったという。ハマースは策を弄して交渉の条件を引き上げるよう迫るだろうと、彼らは予測していたからだ。この11月4日火曜日にカイロでスレイマーン情報長官と面会した際に、ハマースの副政治局長ムーサー・アブーマルズークが率いるハマース代表団が、ハマースは対話に参加するとの明らかに前向きなサインを示していたことが、この予測の根拠となっていた。

 スレイマーン情報長官はパレスチナの指導者たちに、「マシュアル政治局長はエジプトに挑戦するという今回とった立場に対し、高い代償を払うことになるだろう。エジプトに歯向かい、その目的や努力を台無しにすることは誰にもできない」と述べたという。

 一方、ガザ地区では暴力がエスカレートし、解任されたハマース政府のイスマーイール・ハニーヤ元首相は日曜日、イスラエルが重大な停戦違反をしていると非難、停戦の継続はイスラエルがパレスチナ人の殺害を止めるかどうかにかかっていると述べた。

(後略)

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( 翻訳者:小林洋子 )
( 記事ID:15231 )