メッカ巡礼でサウジ政府の禁止にもかかわらずイラン巡礼団が示威行動
2008年12月08日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ サウジアラビア政府が政治活動を禁止しているにもかかわらず、イラン人たちがハッジ中にデモを強行
■ 200万人以上のムスリムがアラファートでウクーフの行を行った後、犠牲祭を迎えるためにムズダリファへと向かう

【世界各国の首都:通信各社】

昨日、「ラッバイカ・アッラーフンマ・ラッバイカ〔=神よ、あなたの御許に参りました〕」と唱えつつメッカ東郊のアラファート山に立った200万人以上の巡礼者たちからは、祈りの声と自らの罪および全ムスリムの罪に許しを請う声が上がった。何千ものテントで埋め尽くされたメッカの東15キロに位置するアラファートの野に向かう巡礼者たちの流れは、正午になってもまだ続いていた。彼らはその場所で日没まで過ごした後、犠牲祭の初日を迎えるべくムズダリファへと向かった。

白い巡礼用の衣装を着た男たちやベールで体を覆った女たちは燃えるような日差しの下で、恭順の涙を流した。ところどころで水のホースがポールに取り付けられ、暑さを和らげるために空中に散水 していた。この日の気温はおよそ30℃と、サウジアラビアとしては過ごしやすい気温だった。(中略 )

 巡礼中の政治活動は禁じられているにもかかわらず、「アメリカに死を」「イスラエルに死を」と繰り返す巡礼者の集団を前に説法を行うイラン人聖職者の姿をイランのテレビ局が放映した。イラン巡礼団のアーヤトッラー・ムハンマド・ムハンマディー・レイシャフリー団長は、ムスリムの間には「西洋文明からの攻撃に晒されて」絶望を感じていた者もいたが、今日では「イスラームは覚醒した」と語り、イランTVはシュプレヒコールを唱える巡礼者たちの先頭に立つレイシャフリー団長の映像を報じた。

 サウジ当局は今のところ、過去数年の巡礼を襲ったような火災や宿泊施設の倒壊、警察と抗議グループとの衝突、大混雑による将棋倒しといった事故や問題の発生には触れていない。

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( 翻訳者:飯田桃子 )
( 記事ID:15332 )