私をメッカに連れてって:60歳の女性、メッカ巡礼のために正式な結婚を申請
2008年12月16日付 E'temad-e Melli 紙

60歳の女性が家庭裁判所を訪れ、夫との婚姻登録を行った。この夫婦は、30年前とある宗教施設で夫婦の契りを結んだ〔が、正式な結婚はしていなかった〕。しかし30年経ったいま、女性はメッカに行きたいとの理由から〔正式な〕婚姻登録を申請することになったのだ。

 本紙記者の報告によると、ある中年男性が家庭裁判所を訪れ、妻との婚姻登録を申請した。男性はテヘラン家庭裁判所第268法廷の判事に次のように話した。「妻がメッカに行きたいと言っている。そこで私は夫として、妻に〔海外への〕渡航を許可することができるよう、私たちの結婚を正式な形で登録したい」。

 男性は家庭裁判所で、本紙記者に対し事の顛末について、次のように語った。
30年前、私と妻サディーゲは夫婦の契りを結びました。私たちは当時、〔テヘラン南部の〕アブドル・アズィーム廟で結婚したのですが、役所への登録はこれまで行ってきませんでした。私とサディーゲは婚資金30トマーン〔※現在の価値では約3円。ただし30年前は100倍程度の価値はあったと思われる。いずれにせよきわめて慎ましい結婚契約であったことが想像される〕で結婚しましたが、これまでけんかをしたことは一度もありませんでした。

サディーゲは愛情豊かな妻で、私への愛もこれまで変わることはありませんでした。私たちは30年間ともに暮らし、3人の子供をもうけましたが、仲違いをしたことはありません。

 この男性はさらに次のように続けた。
サディーゲはこれまでずっと、「神の館」に行きたいと申しておりました。結婚当初から、妻はメッカへの旅を熱望していました。しかし経済的な問題などがあって、これまでメッカへの旅は果たせずにいました。

数年をかけて妻はメッカに行く準備を整え、ついにすべて準備万端となりました。ところが、サディーゲがメッカに行くためには、夫の許可が必要だということが分かりました。私たちの結婚はアブドル・アズィーム廟で済ませただけで、これまできちんとした登録はしてきませんでした。そのため、私には書面で〔妻の海外渡航を〕許可することができないのです。私が今回家庭裁判所に出向いたのも、正式な婚姻登録をして、妻をメッカに送り出すためです。

 現在60歳のこの男性の妻は、夫の話を認めた上で、夫との生活には満足していると話した。中年夫婦の申請を受け、アムーザーディー判事はこの問題の検討に着手、調査を行った上で、夫婦の婚姻登録を許可した。

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( 翻訳者:斉藤正道 )
( 記事ID:15352 )