共和人民党アルトマンの「ギュル大統領の母はアルメニア人」発言、同党からも批判
2008年12月20日付 Radikal 紙
共和人民党のデ二ズ・バイカル党首は、イズミル選出のジャナン・アルトマン議員のアブドゥッラー・ギュル大統領の民族的出自に関する発言に対して怒りを表明した。バイカル党首は、「この発言を非常に残念に思いました。不適切なやり方です。こうしたやり方は何よりもまず恥ずべきものです」と語った。共和人民党執行部はアルトマン議員を懲罰委員会に諮るために調査を開始し、アルトマン議員に「当分、発言を控え、イズミルに戻って謹慎するよう」伝えたことが分かった。
アルトマン議員が「ギュル大統領は母親がアルメニア人だから『アルメニア人に謝罪する』キャンペーンを支持している」 と主張したことで、共和人民党執行部は困惑している。
バイカル党首は、日曜日(21日)に開催予定の党大会の準備を整え、そこでの講演で「アルメニア人に謝罪する」キャンペーンに関して論評する予定であった。同党首はラディカル紙に対して、「アルトマン議員の発言を非常に残念に思いました。不適切なやり方です。このようなやり方は恥ずべきものです」と語った。
バイカル党首は一昨日(18日)の中央執行委員会(MYK)で同様の発言を行った事が分かった。中央執行委員会の会合の後で会見した同委員会のスポークスマンであるムスタファ・オズユレキ氏は、初めてメディアの前で共和人民党国会議員の発言で正しくないものがあったと述べた。オズユレキ氏は、バイカル党首の、「民族的出自は敬意を払うべきものです。みな、民族的アイデンティティーに誇りを持たなければなりません。国家は民族を問題にしません。誰かの民族的出自や宗教、宗派にあれこれ言うことはありません」という発言を持ち出し、アルトマン議員の考え方は党首や党の路線とは正反対であると説明した。
共和人民党会派幹部は、アルトマン議員に発言を訂正するよう要請したが、同議員はこの勧告を聞かず自己の見解に固執したことが分かった。さらに会派幹部は、同議員に当分、発言を控えテレビに出ないよう、また選挙区であるイズミルに戻って、一定期間謹慎するよう要請した。しかし同議員はこれらの助言に注意を払わず、一昨晩、テレビの生放送に出演して会派幹部を激怒させた。
共和人民党会派幹部は、彼らの勧告を無視したアルトマン議員の発言を調査し、これに関して懲罰手続きを開始させるかどうかについて、バイカル党首と党本部の判断を待つことが分かった。アルトマン議員が懲罰委員会に諮られる場合、少なくとも戒告処分になるだろうと言われている。
アルトマン議員の発言の結果、国民の関心事が変わってしまったことも共和人民党を激怒させた理由の一つである。ある共和人民党幹部は次のように語った。「世論がギョクチェキ氏ークルチダルオール氏の対決に完全に終止符を打ち、共和人民党がメリフ・ギョクチェキ氏を窮地に追い込んだとき、共和人民党や世論が、この論争の結果生まれた有利な流れを、手中に収められるのではという状況が生まれました。しかし、そんな時ある人が出てきて、誰にも相談せずに、国民の関心事を他に向けてしまった。デニズ氏は、「アブドゥッラー・オジャランが捕まりトルコに送還されて以来、公正発展党(AKP)にいた一部の保守的な人々が共和人民党に加わるのではという話題が、メディアで最も頻繁に取り上げられてきた」と話しています。トルコでは1ヶ月もの間、このテーマが議論されています。ところがある人がでて来て、『アブドゥッラー・ギュル大統領の両親はどういった人たち?』と尋ねました。何の関係があるのですか?今風の表現で話さないようにしますが。 たとえアルメニア人だとしても。 アルメニア人だったら何だというのですか?クルド人だとしたら?ラズ人だとしたら?何かが変るとでも言うのでしょうか?変らないでしょう。社会民主主義的な政党の議員ですよ。民主主義的な人物であれば素性は問わないものではないでしょうか? 少しは学ぶものだし、耳をかたむけるものです。トルコの一部の人々は自分が話題にされることを非常に好みます。どうもジャナン女史もそのようなタイプの人らしい」
アルトマン議員は、先の会期でタイイプ・エルドアン首相の大統領としての資質に関する議論があった際、エミネ・エルドアン夫人に宛てた手紙の中で、「あなたの服装がトルコ人女性の怒りをかっている」と述べた。これに対してバイカル党首は、「我々は他人の服装に干渉しない。みな誰であろうと服装を争点にしてはならない。首相夫人は公私ともに彼女が望む身なりをすることができます。身なりが誰かの気分を害するなどということはあってはならない。あなたの手紙は目的を超えてしまったようだ」と注意していた。
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( 翻訳者:富田祐子 )
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