映画「ムスタファ」をめぐり、監督に司法取り調べ
2008年12月20日付 Radikal 紙

ミッリエト紙記者のジャン・デュンダル氏(監督)は、アタテュルクの生涯を描いた「ムスタファ」というタイトルのドキュメンタリーに関連して行なわれている一連の捜査において、検察局に説明をおこなった。

アンカラ共和国首席検察局は、ミッリエト紙記者のジャン・デュンダル氏について、アタテュルクの生涯を詳細に描いた「ムスタファ」というタイトルのドキュメンタリー映画を理由に、捜査を始めた。

デュンダル氏に関する捜査プロセスは、3人の異なる告発により始められた。

禁煙協会創設メンバーのアフメト・エルジャン教授と禁煙者財団オルハン・クラル名誉会長らが、アタテュルクの命日である11月10日付けで発表した共同告発声明の申請状には、以下の告発が書かれていた。

「アタテュルクは、トルコ民族を結びつけた人物であり、指導者であり、模範となる人物である。ムスタファという映画は、内容、さらに題材の解釈により、共和国とアタテュルクの威信を低下させている。これらが十分ではなかったかのように、映画では、トルコ人の象徴であるアタ(父)に対し、モクモクとタバコ(を吸わせ)、さらに貶める形で飲酒させ、アタテュルクの威信を低下させる一方、トルコの若者の模範である人物が精神的に抹殺され、これにつけ加えてトルコ史上最大のタバコ広告がアタテュルクを利用しておこなわれている。」

申請状では、タバコ広告の見返りに、映画のスポンサーをみつけたとも主張している。映画は「タバコ製品被害への阻止と管理に関する法」に違反していると言及されており、上映中止を求められた。

申請状では、アタテュルク主義者思想協会チャンカヤ支部のメンバーであるアリ・ベルハム・シャフブダック氏の告発と似た説明があることが注目された。シャフブダック氏は、映画でアタテュルクが女性に対し過度に弱いこと、アルコール飲料が並ぶ食卓から離れない人物として描いていることを指摘していた。

■ムスタファとはいえない

イスタンブル弁護士会に登録しているギュルニハル・ソイダン弁護士の告発は、デュンダル記者だけではなく、映画制作チームに参加している人たちとスポンサーを起訴するよう請求した。

映画により「反アタテュルクの形で働かれる罪に関する法律に違反」がおこなわれたとし、ソイダン弁護士は、アタテュルクについてふつうの人物に言及するようにムスタファ」という言葉が使用されているとした。ソイダン弁護士は、『皆が父親に「ムスタファ」というような気安さで名前を短縮することは、許されない不謹慎行為である』と語った。

■ブレゴヴィッチはアルメニア人

申請状では、映画の音楽を担当しているサラエボ出身のゴラン・ブレゴヴィッチ氏がアルメニア人であると指摘し、「アルメニア人ジェノサイドに関するロビー活動が行なわれている昨今において、意識的に細心に選ばれた人物の一人である」と説明をおこなった。また、「映画をワーナーブラザーズが配給している。世界的規模の会社が、なんでデュンダル記者に支援を行い、配給したのだろうか?これは、この映画が国際的外国資本が支援する計画の一部であることの証明だ。アタテュルクがカラスを追うシーンで、「ヨルゴ」という名のギリシャ人の子どもが配役されているのは、アタ(父)への尊敬の念がない。トルコ人の子どもは残っていないのか、ギリシャ人の子どもが我々のアタ(父)を演じている」と語った。

■(司法当局に)招集された。

告発をまとめているアンカラ共和国首席検察局は、デュンダル記者に(状況)説明をさせるため、司法当局に招集した。報道担当の検察官ナディ・トュルカスランに一昨日、説明を行なったデュンダル記者は、映画の中の114秒間でのみアタテュルクの喫煙シーンがあるとし、15年間(映画制作に)尽力したことを検察官に説明した。検察局は、映画でアタテュルクへの侮辱が行なわれたか否か、そして、タバコの広告が行なわれたか否かについて、有識者に諮ることが予想される。

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:15383 )