■　リヤドの危機感がフランスの努力を促す

2008年12月02日付アル＝ナハール紙（レバノン）ＨＰ1面

【パリ：サミール・トゥワイニー本紙記者】

パリの外交筋によると、フランスの使節団は先週の日曜日にダマスカスを訪問し、シリアのバッシャール・アル＝アサド大統領と共に、両国の基本的な課題の現状について話し合った。内容はレバノン問題、シリアとフランスおよびヨーロッパ連合(EU)の関係、中東和平プロセスなどである。

　同筋によると、フランス政府はシリア政府に対し、前向きな政策の継続を奨励したという。またレバノン問題に関しては、フランス政府はシリア政府に、両国の正常な関係の回復と外交代表団の交換、両国の大使館の開設を年内に早急に行うよう求めた。これについては今年の７月12日にパリで開催された[フランス・シリア・レバノン]首脳会談と、８月にダマスカスでミシェル・スレイマーン大統領とバッシャール・アル＝アサド大統領が行った首脳会談で合意が成立している。

　またフランス政府はシリア政府にレバノンとの国境画定作業を促し、レバノンの安定と主権を強化するよう呼びかけた。

　また消息筋は、今回の[使節団の]訪問が、フランスのニコラ･サルコジ大統領のサウジアラビア訪問に続いて行われたということに注目している。大統領の訪問は非常に短時間だったが、アブドゥッラー・ブン・アブドゥルアジーズ国王との会談が行われ、レバノン問題についても話し合われた。

　サウジアラビア国王は、国際社会がシリアに対して開放的な姿勢を示した後に、シリア政府が約束を守らないのではないかと危惧している。それにより、かつてサルコジ氏が「行動を待つ」と称してシリア政府との関係を絶つことを決定した際のように、再びフランスが消極的な姿勢をとる可能性もある。サウジアラビア政府は、シリア政府がレバノンについて何ら基本的な譲歩を示していないにもかかわらずフランス政府がシリア政府との交渉を大幅に進めているとみており、シリア政府のサウジに対する非難にも不満を示している。そうしたなかでフランス政府は、サウジアラビアとシリアを相互に近づける努力をしている。

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（ 翻訳者:梶原夏海 ）
（ 記事ID:15385 )