覚せい剤乱用者、祖父母を殺害

覚せい剤を使用して精神のバランスを失った若い男が、金銭目的で自分の祖父母を殺害するという事件が起きた。

　今年のイラン暦アーザル月23日〔西暦12月13日〕午後5時、110番警察緊急センターに、空軍第8通りで強盗殺人事件が起きたとの通報が同センターの係官に寄せられた。

　かくして、第128テヘラン・ノウ分署の捜査官らが現場に急行、初動調査を開始した。

　一連の捜査の結果、殺害されたのはモハンマド・エブラーヒームさん（85）とその妻ジョムリーエさん（76）で、二人は頭部と腹部に受けた外傷のため死亡したことが分かった。

　被害者の息子であり、事件の発生を警察に通報したサーデグさんは捜査官に、「父の家から、母のものであった指輪やネックレス、イヤリングが盗まれていました」と述べた。

　遺族の申し立てを受け、テヘラン刑事検察庁第7課の予審判事はテヘラン刑事警察第10課の捜査官らに対し、事件の詳細を明らかにするための専門的捜査を実行するよう命じた。

　捜査官らはまず最初に現場検証を行い、犯人もしくは犯人グループは力ずくで家に押し入ったのではないこと、そして貴金属の仕舞われているクローゼットのみが荒らされていることを発見した。

　その結果捜査官らは、殺害犯もしくは犯人グループはこの家族の暮らしや出入りの様子を知っている人物だと推測した。

〔中略〕

　最終的に、被害者の孫の一人であるハミードという名の28歳の男を、主な容疑者として捜査課に連行した。男は、覚せい剤という麻薬の重度の常習者で、自分の父や殺害された祖父母の自宅で頻繁に盗みをはたらいていた。

　ハミードは取り調べにおいて当初、事件の発生については何も知らないと供述し、無実を主張していたが、彼の友人だというフォルーザーンという人物〔女性〕が捜査線上に浮上したことで、事件のナゾが明らかになった。

〔中略〕

　捜査官らが入手した証拠やフォルーザーンの供述によって、ハミードは罪を認める他ない状況に追い込まれ、ついに強盗目的で自分の祖父母を殺害したことを自供した。

　重度の麻薬中毒者であるこの28歳の若者は、次のように自供した。

殺害の前夜、覚せい剤を使用していた。金が必要になったので、金曜の朝10時、祖父の家へ向かった。鍵を持っていたので、その鍵で家に侵入し、居合わせた祖父母に金を要求した。祖父母は私の要求を断り、その上祖父母宅で発生したその他の盗難事件まで私のせいにしてきた。

家族の前でメンツを台無しにしてやると言われ、私は激怒した。まともな状態ではなかったこともあり、台所から持ち出したナイフで祖父母に切りかかった。貴金属を盗んだ後、演出のためにクローゼット内の洋服を引っ張り出して散らかした

　テヘラン警察刑事犯罪対策副局長のサイード・レイラーヴィー捜査官（大佐）は事件を公表した上で、「盗まれた貴金属が未だ見つかっていないことから、司法当局と協力してハミードの取り調べを続けている。現在、考えられる男の前科について調査しているところだ」と述べた。

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（翻訳者:阿部文美）
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