詩人ナーズム・ヒクメト、はく奪されたトルコ国籍を58年ぶりに取り戻す
2009年01月06日付 Milliyet 紙
詩人ナーズムが1951年に国籍を剥奪された決議を取り消す政府決定は、閣議で署名され、決議された。チチェキ政府報道官は「我々は正しいことをしたと考えている」と述べた。
政府報道官兼副首相のジェミル・チチェキ氏は、1951年に閣議の決議により国籍を剥奪された詩人ナーズム・ヒクメト・ランの国籍を再び取り戻す目的で、この決議を取り消す新しい閣議決定を準備したことを明らかにした。こうして、長年国外追放されていたナーズム・ヒクメトは、没後45年して、トルコ共和国の国籍を取り戻すことになる。
■決議は取り消された
チチェキ政府報道官は、昨日(5日)行われた閣議で、ナーズムの国籍が剥奪されることになった1951年の閣議決定を取り消す、新しい閣議決定が署名されたことを明らかにした。
チチェキ政府報道官は、旧トルコ刑法第141条および第142条に則り、閣議決定で国籍剥奪されたナーズム・ヒクメトが国籍を取り戻すために、はく奪決定を取り消す閣議決定に署名がなされ、決議されたことを明らかにした。
■文化省が準備
チチェキ政府報道官は、「我々は正しいことを行ったと考えています。トルコ国籍剥奪を必要とさせる条項を抜本的に法律から削除しました。2002年はユネスコによって、ナーズム・ヒクメト年と宣言されました。今や何の意味もなく、法律的裏付けもないそのはく奪決定は、取り消される必要があるのです。1951年にとられたこの決定は、閣議決定により取り消されました」と述べ、評価した。閣議決定は文化省によって作成されたことがわかった。
チチェキ政府報道官は、ナーズム・ヒクメトのロシアにある墓をトルコへ移すことに関する質問については、以下の返答をした。
「我々が行ったことは、1951年にとられた決定の取消しです。墓の件はトルコで議論されていますが、トルコだけで決められることではありません。もしやる価値のあることになるのであれば、というのも今やトルコ国民であるのですから、この決定の発表とともに、墓がトルコにくることに我々にはいかなる不都合もありません。我々はこの件を肯定的に見ていますが、家族が何とおっしゃるか、それを確認する必要があります」
■墓をトルコへ
文化観光省のエルトゥールル・ギュナイ大臣は、5日、閣議決定でトルコ国籍を返還されたナーズム・ヒクメトの墓をトルコに移す決意であると述べた。同大臣は、「アナトリアでスズカケの木の下に埋葬するよう遺言があります。我々は、この遺言を実行する強い決意があります」と述べた。
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( 翻訳者:白石百合子 )
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