イスラエル、ガザ・エジプト国境一帯への砲撃に備えラファハ住民に退去勧告
2009年01月08日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ イスラエル、エジプト境界付近への砲撃継続、ラファハ市民に対し家を破壊するため退去を要求
■ サウジアラビア、石油禁輸という武器を使えとのイランの提案を拒否
2009年01月08日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ガザ:本紙アシュラフ・アル=ハウル】
水曜(7日)、パレスチナ保健省のムアーウィヤ・ハサネイン救急局長は、「先月27日のイスラエルによる攻撃開始以来、死者数は702人、負傷者は約3100人に上る」と発表、死者の3分の1は16歳以下の子供や若者だと続けた。今月3日からのイスラエルによる地上戦開始以来、民間人の犠牲者数は大きく増加している。
イスラエルの縮小治安閣議はガザへの地上戦を拡大するとともに、エジプトが提案した停戦条件の協議のため、イスラエル高官をエジプトへ派遣すると決定した。この決定発表直後、パレスチナのラファハ市ではイスラエル戦闘機が住民に対し、退去を呼びかけるビラを散布した。
ラファハ市のパレスチナ筋が本紙に明らかにしたところによると、イスラエル戦闘機は22軒以上の民家を破壊し、サラーム、キシュタ、ミーラージュの各地区にビラを投下して退去を求めた。エジプトとガザ地区の境界沿いの一帯には5万人以上のパレスチナ人が居住している。同筋は言う。「我々は最悪な夜を過ごしている。子供たちは怯え、どうすればいいのかわからない」。
ラファハ市に投下されたイスラエル軍の署名が入りのビラには、「イスラエル国防軍司令部は、ラファハの海岸通りからエジプト境界までの一帯にある家屋からの退去を求める」と書かれ、「この一帯はテロリストによってトンネルや倉庫として利用されているため」イスラエル軍が砲撃するとも記されていた。
(中略)
イラン・イスラーム共和国通信は日曜日、イランのある軍司令官がイスラーム諸国に対し、イスラエルのガザ攻撃に対抗して、イスラエルを支持する国々への石油禁輸を求めたと報じた。同通信社によればこの司令官は石油を、ガザ地区のパレスチナ人が遭遇している「不均等な戦争」においてイスラエルを支持している欧米の国々にたいする圧力になる商品であると述べたという。
これに対しサウジアラビア外相は、「イスラエル支援国家への石油輸出をストップするとのイラン政府の呼びかけに応えたならば、産油国は自らに損害を与えることになる。そうした振る舞いはこの手の紛争の終結を助けはしない」と述べ、「君たちにそんなことが出来るか? 相手に圧力をかけるために石油生産を止めれば、相手と同じだけ自分たちが苦しむ」と問いかけた。
産油諸国は原油価格が去年7月の1バレル147ドルから12月の約32ドルにまで暴落したのを受けて、ここ数ヶ月の間に歳入が減少しており、サウジ外相は「産油国は石油資源から国家建設能力を手に入れる必要がある」「敵対行為に対抗する準備をするためには、自身の力を得るためにこの資源が必要になる」と述べた。
また、国際監視部隊が〔エジプト・ガザ国境に〕派遣されることになった場合、サウジは参加するのかとの質問に対しては、「要請を受け取れば、もちろん検討する」と答えた。
(後略)
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( 翻訳者:梅原春奈 )
( 記事ID:15529 )