エルゲネコン―PKK―麻薬取引を結ぶ線
2009年01月25日付 Yeni Safak 紙

今週アクション誌は、テロ組織エルゲネコンと行政裁判所殺人事件との重要なつながりを示すドウシュ・ファクタリング事件における麻薬―殺人―マネーロンダリング関係を表紙にもってきた。最高裁判所が「行政裁判所とエルゲネコンの訴訟を同じものとするように」という決定をおこなったことで、人々の関心はアンカラ第11重罪裁判所に注がれている。

裁判所は3月23日に判決を下す。しかし行政裁判所訴訟の事案に含まれ、また殺人事件の鍵となる人物アルプアルスラン・アルスランが弁護をし、さらにムザッフェル・テキンが一時期関与していたドウシュ・ファクタリング事件は、エルゲネコンの構図がドイツ-トルコ-パキスタン・ラインと興味深いつながりを持っていることを示してくれている。

アクション誌が表紙に載せた情報によると、ドイツとトルコの警察が行った捜査と裁判所の記録によって、エルゲネコン事件の容疑者たちと1990年代から続く、麻薬―PKK―マネーロンダリングとのつながりが明らかにされた。同誌の情報によると、この相関図をひも解くと、エルゲネコンがトルコからヨーロッパに、さらにはパキスタンーイランのような麻薬ルートに「深く」入り込んでいることが詳細にわかるという。

さらにエルゲネコン事件の容疑者セダト・ペキル、ムザッフェル・テキン、メフメト・フィクリ・カラダーの、麻薬密輸人エルトゥールル・ユルマズとの関係、さらにはウルフィ・チェティンカヤやヒュセイン・バイバシンのような麻薬取引の大物にまでつながる興味深い関係が明らかにされている。

PKK―麻薬―マフィアというトライアングルの中で、ヨーロッパからトルコにまで広がるエルゲネコンによる「流血を伴う闘争」は本当に注目すべき情報でいっぱいである。イブラヒム・シャーヒンからアルプアルスラン・アルスランやムザッフェル・テキン、サミ・ホシュタン、セダト・ペケル、ヴェリ・キュチュク、さらには麻薬密輸人ウルフィ・チェティンカヤまで至る多くの人間が、1990年代以降、興味深い相関図をつくっている。

1997年に多額の金でトルコに帰ったエルトゥールル・ユルマズは、麻薬取引の大物ウルフィ・チェティンカヤの右腕として知られるムラト・ハカン・ドアンとつながりを持った。1年後、ドアンと共同で資本金1兆リラ(当時)のドウシュ・ファクタリング・サービス・AŞという名の会社を設立した。ムザッフェル・テキンは10%の株式を保有していた。行政裁判所襲撃まで、ドウシュ・ファクタリングの小切手取り扱い業務はアルプアスラン・アルスランが行っていた。

調査記録からわかった情報によると、エルトゥールル・ユルマズは、ドウシュ・ファクタリングを通して1999年から2003年の間に約38兆リラ(当時)のお金をトルコに持ち込んだ。これを高利貸しの手段を通してシステムに組み入れていった。これらすべての関係の鍵となるユルマズは、2003年4月にドイツで奇妙な殺人事件の犠牲者となった。2003年4月3日の殺人事件では、彼の家にはそれぞれ興味深い人物がいた。オルハン・トゥガイ(おそらくエルトゥールル・ユルマズの甥であるシト・トゥルガイ・ビロル)と、パキスタン国籍の「麻薬取引の大物」シャフバズ・ハンである。

イスタンブルのカドゥキョイとドゥズジェで行われたユルマズの葬式には、テキンとカラダー本人が参加した。葬式は、刑務所にいたセダト・ペケルの兄弟と仲間たちによって取り仕切られた。

これらの事件すべてについて、匿名の告発状で、エルトゥールル・ユルマズとジュムフル・ヤクトという人物が麻薬と殺人事件で得た金をドイツ、ドバイ、スイス、トルコに運んだこと、トルコではドウシュ・ファクタリングが関わったことが告発された。告発によると、扱う金額が多くなるやクルド人のグループがドイツの金からの分け前を望み、仲間割れによってエルトゥールル・ユルマズが殺されたということだった。

ドイツ・トルコ警察の共同捜査で明らかになったエルトゥールル・ユルマズ殺人事件の詳細はこれだけではない。ユルマズとムザッフェル・テキン、セダト・ペケルのつながり、さらには行政裁判所襲撃を実行したアルプアルスラン・アルスランとのつながりから、ドウシュ・ファクタリング事件に関係する幾人かがエルゲネコンのメンバーであることが確定された。これらの人物がエルトゥ-ルル・ユルマズとその仲間たちを使って麻薬密輸、小切手の回収、殺人といったことを実行していた。

エルゲネコンの名のもと、国際的な麻薬取引、小切手回収、殺人といった犯罪で得られた金は、トルコ、スイス、ドバイ、パキスタン、ドイツに設立された会社を通してマネーロンダリングされた。

さらに、エルトゥールル・ユルマズ、ムラト・ハカン・ドアン、シャフバズ・ハンは、麻薬密輸とマネーロンダリング組織内で仲間割れを起こしたことも同時に分かった。エルトゥールル・ユルマズはセダト・ペケルと、またペケルは退役准将ヴェリ・キュチュクとつながりを持っていること、そして密売人たちによって得られた金がペケルを通してキュチュクに渡された可能性があるという主張が徐々に重要性を持ちつつある。

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( 翻訳者:永山明子 )
( 記事ID:15652 )