■　サウジアラビア国王、ムバーラク・エジプト大統領、アサド・シリア大統領、カタール首長が会談
■　非難合戦の停止、相互訪問と2国間対立への対応で合意
■　クウェート：「ガザの災厄はアラブ諸国首脳の関係を修復した」

2009年01月20日付アル・ナハール紙（レバノン）HP1面

【クウェート：アリー・ハマーダ、サビン・オワイシュ記者】

　ガザに対するイスラエルの戦争やその間に発生したアラブ諸国の分裂を背景にこの数日間取り沙汰された予想に反し、昨日クウェートで開始したアラブ経済開発社会首脳会議は、サウジアラビア、エジプト、シリア、カタール各国首脳の関係修復のための首脳会議と化した。アブドゥッラー・ブン・アブドゥルアズィーズ・サウジアラビア国王は、予想を覆す発言によって首脳会議の参加者らを驚かせた。開会式での演説で、「我々全員を代表して、我々が対立の段階を超え、いかなる例外や留保もなく全てのアラブ人の同胞精神と統一の扉を開いたことを宣言させていただきたい」と述べたのである。

　またアブドゥッラー国王は、対ガザ戦争後の段階におけるアラブの政治的ビジョンについて、「イスラエルは、戦争と平和の選択は常に開かれているわけではないこと、交渉のテーブルに提示されたアラブ和平提案が永遠に有効なわけではないということに気付くべきである」と言明した。

　観測筋は、国王、大統領、首長ら17人が出席したバヤーン宮殿での首脳会議の開会式で起きたことについて、「サウジアラビア国王とホスニー・ムバーラク・エジプト大統領が役割を分担したようであった」と表現したが、「アブドゥッラー国王は政治的和解のページを開いたことによって、自らの主導の下にアラブ諸国を再び結集させることに成功した」という点で各方面の見解は一致している。そのことは、開会式後にアブドゥッラー国王の滞在先に集まった首脳らの様子に反映されていた。集まったのは、バッシャール・アル＝アサド・シリア大統領、ホスニー・ムバーラク・エジプト大統領、シャイフ・ハマド・ブン・ハリーファ・アール・サーニー ・カタール首長、アブドゥッラー2世・ブン・アル＝フサイン・ヨルダン国王、ハマド・ブン・イーサー・アール・ハリーファ・バハレーン国王、サバーフ・アル＝アフマド・アル＝ジャービル・アル＝サバーフ・クウェート首長である。なお、アサド・シリア大統領は公式会合の散会後に[サウジ国王滞在先での]集会に向かう意思を明らかにし、ただちにサウジアラビアの提案に応じた。

　和解会合に先立ち、ガザ問題に関する協議のための非公開会合が予定より1時間以上遅れて開かれた。またそれと並行してアラブ外相の非公開会合が開かれ、首脳会議の閉会声明に関して政治的な部分の修正が決められたことに鑑みて、声明案の起草が再度行われた。

　情報によると、会議出席者らは最終的に、①相互の非難合戦の停止、②対立する首脳らの間での相互訪問の実施、③2国間関係に関する現在の対立への対処、という３つの要点に合意した。

　経済・開発・社会の分野では声明案の修正は行われず、参加諸国はガザ復興基金への寄付の規模を決定すると見られる。サウジアラビア王国は10億ドルの拠出を発表し、クウェート首長はアラブ諸国開発計画に必要な資金源の拡充のためのクウェート・イニシアティヴに寄与すべく5億ドルの拠出を発表した。これは、提案された計画への資金を拡充するという点で、経済および開発の問題にも然るべき重要性を付与するための、クウェートによる努力の一環である。

（後略）

Tweet

この記事の原文はこちら

　同じジャンルの記事を見る

（ 翻訳者:平川大地 ）
（ 記事ID:15654 )