ガザ地区を訪問した国連事務総長、破壊の光景を前にショックと怒りを表明
2009年01月21日付 al-Quds al-Arabi 紙

■国連事務総長、破壊の光景を前にショックと怒りを表明
■ガザでの劣化ウラン弾使用について、国際原子力機関(IAEA)が調査へ
■潘基文事務総長、ガザにたいする野蛮な攻撃を批判し、責任者の処分を求める

2009年01月21日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ガザ: 本紙アシュラフ・アル=ハウル】

 昨日、火曜日(20日)に国連の潘基文事務総長がガザを訪問し、破壊の光景を前にショックと怒りを表明した。彼はその光景を「心から血がにじむほどだ」と述べ、1415人が殺害され、数千人が追いたてられたイスラエルによる攻撃後の、パレスチナ人への援助を約束した。

 イスラエルは大部分の兵力を、バラク・オバマ新アメリカ大統領の就任前に撤退させた。主要な同盟関係の新時代の幕開けを汚したくないとの、イスラエル首脳部の思惑が働いたものと思われる。

 日曜日(18日)に発効した停戦後、ハマースはいまだ同組織がガザ地区を統治していることを誇示した。潘基文・国連事務総長の訪問に合わせて「戦勝」パレードを行ったのだ。数人のハマース報道官は事務総長および欧米勢力に対して、最新〔=2006年1月〕のパレスチナ評議会選挙で勝利したハマースに対するボイコットをやめるよう要求した。

 潘基文事務総長は「私は破壊の跡の一部を見たに過ぎないが、それでもショックと恐怖を引き起こすものだった」と述べ、イスラエル側の過剰な武力行使と、パレスチナ人活動家側の「ロケット弾の乱発」を非難した。

 木曜日(15日)にイスラエル軍による爆撃に曝され、その内部では援助物資の食糧がいまだに燃え続けている倉庫で行われた記者会見では、「私が見たものは、心から血がにじむほどの光景だ。この光景に深い悲しみを覚える」と述べた。そしてこの攻撃について「野蛮」と表現し、調査と戦犯の処分を要請した。ロケット弾発射に関してハマースを非難はしたものの、イスラエルが「過剰な武力」を行使したと述べた。

 中東歴訪中の潘基文事務総長は、2007年6月にハマースがガザの統治を始めて以降、ガザを訪問した国際的に最も高い地位にある人物となった。

 イスラエルの通行所を経由してガザ住民に大量の援助物資を送る決定をしたと複数の援助機関が発言してはいるものの、ハマースを「テロ組織」とみなす欧米諸国によるボイコットと、建設資材など武器製造に転用可能な多くの物資をイスラエルが禁輸していることが、援助の実施を困難にするだろう。

 潘基文・国連事務総長はパレスチナ人に対し、国家建設の希望とイスラエルとの和平実現のために、アッバース大統領率いるパレスチナ自治政府の枠組みの中で、政治的内紛を解決するよう求めた。事務総長は「正統なパレスチナ自治政府の枠組みのもと、ファタハとハマース、そしてすべてのパレスチナ諸派が足並みを揃えることを求める」と述べ、和平交渉を麻痺させているガザのハマースと西岸地区のアッバース政権との分裂を終わらせるよう求めた。

 一方、数千人のハマース・メンバーがハマースの旗を掲げながらガザ市内を行進し、一部は事務総長が訪問中の国連施設の外側を行進した。ハマース報道官たちは国連によるハマースの承認を求め、その中の1人は、「ハマースは住民による投票で選ばれたのだ。私たちはダブルスタンダードが終わることを望んでいる」と述べた。国連や、他の主要な中東和平の仲介者たちは、ハマースがイスラエルを承認し、暴力を放棄し、これまでに締結された諸合意を受け入れるまでは、ハマースとの交渉を行わないとしている。

 戦闘中に激しい爆撃を受けたガザ市の市街では、多くのパレスチナ人たちがかつては自宅であった瓦礫のもとに戻り、持ち物を掘りだそうと瓦礫の中を探し回っている。ガザ市を臨む丘の上にあったかつての自宅の瓦礫の中を探しながらナビール・スルターンさんは、ハマースの「戦勝」を誇示するポスターを皮肉り、「私たちは戦争には勝ったが、すべてを失った」と語り、ひしゃげたコンクリートの塊や、ずたずたになった家具を指し示しながら、「これがかつての我が家です」と言った。

 一方、ハマース当局者は「不発弾で遊んでいた2人の子供が、それが爆発して死亡した」と述べた。発砲があったとの断片的で錯綜した報告があるものの、明らかな停戦違反は報告されていない。

(後略)

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( 翻訳者:鈴木啓之 )
( 記事ID:15663 )