ファタハ系治安機関、西岸でハマース活動家の拘束作戦を展開
2009年01月26日付 al-Quds al-Arabi 紙

■ ヨルダン川西岸地区のパレスチナ治安機関、ハマース活動家に対する拘束作戦を展開
■ ファタハ、ガザ地区で幹部17人が処刑されたとハマースを非難

2009年01月26日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ラーマッラー:本紙ワリード・アワド】

 パレスチナ地元筋の情報によると、パレスチナ自治政府所属の治安機関がここ数日、ハマースの活動家に対する広範囲な拘束作戦を展開し、数十人を逮捕した。同筋が本紙に明かしたところでは、この拘束作戦は、イスラエルの刑務所から出所して一週間にもならない西岸地区南部ベツレヘムの青年にまで及んだという。

 同筋によると、予防治安機関が金曜の晩、ベツレヘム東のアビーディーヤ村にあるサヒーブ・アル=アサー(22歳)の家を急襲し、拘束理由を示さないまま彼を逮捕した。アサーはハマースの活動家で、約1週間前にイスラエルの刑務所から釈放されたばかりだった。ベツレヘム選挙区のハマース選出パレスチナ立法評議会議員、ハーリド・ターフィシュ氏は、アサーの逮捕はハマースを狙った拘束作戦の一環だと語っている。

ハマース側はパレスチナ治安機関が、西岸地区南部のヘブロンで、ハマース支持の市民50人を逮捕したと非難しており、その中には〔レバノン南部の〕マルジュ・アッ=ズッフールに〔イスラエルによって〕追放されていたことのある者たちや、釈放された元囚人、モスクのイマームや教師、学生が含まれるという。

 ハマースは昨日の新聞声明で、今回の拘束作戦の背景には、イスラエルのガザ攻撃が始まって以来、ヘブロンでハマースが組織してきたガザとの連帯を示す運動があるとして、その最新の動きが先週の金曜礼拝の後、ヘブロン南部で行われたデモだったと語った。地元筋は土曜日に、パレスチナ治安機関によってヘブロン市および市の西にあるベイト・カーヒルとエズナで5人が逮捕されたことを確認している。

 さらに同筋によると、ヘブロン市でパレスチナ治安機関に逮捕された市民の数は100人以上にのぼり、その大多数がモスクのイマームや教師、大学生だということだ。ハマースはパレスチナのマフムード・アッバース大統領を批判する声明を出し、「アッバースの組織が、自分達を利用している者たちの言いなりになっている従順な下僕以外の何者でもないことが明らかになった。彼らはハマースのメンバーを無差別に逮捕し、ハマースを支持する市民を怯えさせ、ハマースの呼びかけに応えたり、活動に参加したりしないよう強制するための不毛な試みをすることで、占領者の役割を補完している」と述べた。(中略)

 一方、パレスチナ自治政府は、イスラエルによるガザ攻撃の最中、ハマースが数多くの市民を処刑したとして、公式にハマースの武装戦闘員を非難している。パレスチナの国営通信社WAFAはハマースに殺害された人たちの診断書を公開し、イスラエルによるガザ攻撃の最中、ハマースの「民兵たち」はファタハの幹部や活動家17人を処刑し、数百名に発砲したり暴行を加えたりしたと伝えた。

 ファタハはハマース「民兵」によるファタハのメンバーへの暴力は、イスラエルのガザ攻撃開始以来、組織的かつ危険な形で始められたと述べている。ファタハによると、ファタハのメンバーに対する組織的な挑発が、ハマース指導部の側から行われ、ファタハの全メンバーと治安組織の行動が、逐一監視されていたという。

 ハマースの公式ホームページは、ファタハやファタハ系メディアがハマースによって処刑されたファタハ幹部として報告した氏名、その最新のものはWAFA通信によるレポートであるが、それらは実際には、ハマースがガザ地区を制圧する以前に、イスラエルへの内通者として死刑判決を受けていた人物達の氏名であると発表した。

(後略)

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( 翻訳者:小林洋子 )
( 記事ID:15684 )