BBCの報道姿勢にガザで抗議の声
2009年01月29日付 al-Quds al-Arabi 紙
■ 大学、メディア関係者ら、BBCにガザからの退去を要請
2009年01月29日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面
【ガザ:アシュラフ・アル=ハウル(本紙)】
大学、メディア関係者、外国人活動家、市民団体メンバーなどは、英BBC放送にガザからの即時退去を要請、(BBCの)外国人特派員らに同地から出るよう呼びかけた。
木曜、ガザのBBC事務所前で抗議行動を組織した大学関係者らは、イスラエルによる占領とガザで犯された犯罪行為について、英国放送協会が偏向した見方をしているとみなし、中立を建前としてガザ戦争犠牲者の救いを求める声を報道しなかったその姿勢を批判した。
ガザ大学教員協会スポークスパーソンは次のように述べる。
「(中立という)この口実は嘘だ。アフガニスタン殲滅戦争、イラク占領の際の(BBC)の中立は疑わしい。南アフリカで白人が黒人に対して犯罪行為を犯した時、確かにそれは沈黙していた。彼らのレポートは、ガザ周囲に駐屯するイスラエル戦車の上から行われた」
抗議行動に参加した人々は、3名のBBC外国人特派員に対しガザからの即時退去を要請し、従わない場合は犠牲者たちの靴を持って彼らを追い立てると脅した。
彼らは偏向しており嘘を報道し、イスラエル占領に益するレポートを行ったとみなす上記スポークスパーソンは、「この人々は子供達の血で記事を書いている」と述べた。
BBC総裁マーク・トムソンは中立を標榜することにより嘘をついているとして、抗議行動の参加者たちは、BBCとその経営陣を批判、「BBCはガザから出て行け、BBCをボイコットしよう」等のスローガンを叫んだ。
英国人運動家は、自国に対し、占領支援、イスラエルへの投資を止め、イスラエルをボイコットすべきと主張。同国人に対しては、パレスチナの人々と連帯し、BBCの立場を拒否すべく街頭運動を行うよう呼びかけた。また、彼女自身も含め多くの外国人活動家たちが、ガザでの占領軍による犯罪行為を目撃しており、1300人の死者と未だ苦痛にあえぐ5400人の負傷者、破壊された数百の家屋や工場を残した人道に対する醜悪な犯罪の証人であると述べた。
また、大学教授アスアド・アブー・シャルハは次のように述べた。
「BBCはガザ戦争の協力者になった。中立を守る者が、犠牲者の助けを呼ぶ声を無視するだろうか?」
「占領軍は生きているものを殺すばかりではなく、墓場まで追っていき墓地を爆撃した。大学、病院、UNRWAを攻撃した。それをBBCは報道したか?パレスチナの人々の権利、帰還の権利、パレスチナ占領の経緯における英国の役割については何もレポートしない」
同教授によれば、BBCは、テレビカメラの枠外にいたイスラエル人戦争犯罪者たち、ガザをホロコーストより酷い火葬場にすると脅した連中を断罪すべきであったのに、そうではなく、この火葬場の犠牲者たちの叫びを黙殺するような行為に出た。
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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:15686 )