選挙前の電化製品配布は憲法違反―選挙委員会見解
2009年02月08日付 Radikal 紙

高等選挙委員会(YSK)は、公正発展党(AKP)がトゥンジェリ県で家庭用電化製品を配布していることが「投票に影響を与えて」おり、法に反すると指摘し、違反者については法律で定められた懲役刑が適用されることを強調した。

高等選挙委員会は、トゥンジェリ県庁と一部の郡役所が地方選挙を前に、「すべての家庭に電化製品を」キャンペーンの一環で配布した支援物資について、トゥンジェリ検察本部に告発する決定を下した。また同委員会は、民族主義者行動党(MHP)が提案した選挙で(不正防止用に)指にインクを塗ることも認めなかった。

高等選挙委員会は7日、地方選挙での「指へのインク塗り」、「人口2000人を下回る自治体の状況」、そしてトゥンジェリで県庁と自治体を介して行われている、「電化製品」をはじめとする支援について論議するために集った。
 
■してはならないこと

高等選挙委員会は、トゥンジェリ県庁による電化製品と家具の配布について、週内にトゥンジェリ検察本部に対し、選挙基本法と選挙人台帳に関する法律における第61条「贈り物の禁止」と、第63条「選挙期間中に禁止されていること」に違反しているとの理由で告発する決定を下した。
委員会は、自治体がこれまでに行った支援についてはいかなる手続きもとらないが、今後、行われる支援については注視していく決定を下した。その方向性の中で、法に反する活動が確認された場合は、検察へ告訴することになる。

委員会の審議が継続する一方で行われた会見では、地方選挙では、政党、自治体、無所属の候補者、そして社会的援助・相互扶助奨励法の下で活動している財団(ワクフ)は、投票に影響を及ぼしうる行動をしてはいけないことが強調され、「違反者については、共和国検察本部に告発するという決定が下された」ことが述べられた。

会見では、家具と電化製品の配布は投票に影響を及ぼそうとするものであることが強調され、次のように述べられた。
「社会援助・相互扶助奨励基金が主催する財団及び自治体から、投票を行う国民に対し、合法的な目的を逸脱するような家具と電化製品の配布が行われていることがテレビや活字メディアで報道されたニュースから分かっています。これらの支援は、投票に影響を及ぼそうとしており、憲法第67条で保障されている『投票の自由と平等の原則』に抵触することが明らかです。この文脈で、第298号選挙基本法と選挙人台帳に関する法の第61条、ならびに第63条で禁止される行為を犯した者については、同法第151条とそれに続く条項で定められている懲役刑の適応が相当となります」

委員会はさらに、民族主義者行動党(MHP)が3月29日地方選挙で指にインクを塗ることを提案したことについても議論した。同会議ではこの提案について、指へのインク塗りは法律が廃止されたため、再度これを行うことは違法であるという理由で却下した。
高等選挙委員会は、昨日(7日)の議題において、人口2000人を下回り、憲法裁判所の決定に対し提訴した自治体のうち、どの自治体が選挙を行うことができるのかについての作業が終わらなかったため、結論に結びつけられなかった。 

■エルドアン首相は擁護

昨日(7日)、開催された公正発展党の「トルコ全国自治体首長候補者紹介集会」で演説したエルドアン首相は、電化製品支援を擁護した。
「4日間ずっと、トゥンジェリで県庁が行った支援が話題となっています。これらの支援は、選挙があるということで行われたわけではありません。我々が政権についたときからずっとすべての貧しい国民に、炭、ストーブの配給がなされてきました」

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( 翻訳者:岸田圭司 )
( 記事ID:15756 )