パレスチナ内部対話の開始に向け、ファタハとハマースがメディア・キャンペーンの停止に合意
2009年02月14日付 Al-Nahar 紙

■  停戦宣言はイスラエル側「障害」が克服されるのを待っている
■  ファタハとハマースがメディア・キャンペーン停止に合意

2009年2月14日付アル=ナハール紙(レバノン)HP1面

【カイロ:ジャマール・ファフミー】

 エジプトからの圧力や、右派・極右の圧勝に終わったイスラエルの選挙結果が上手く作用し、カイロでは「ファタハ」とイスラーム抵抗運動「ハマース」の高官級交渉団による会合が木曜日の夜遅くまで行われ、元パレスチナ首相でファタハの動員・組織担当官であるアフマド・クレイウ氏とハマースのムーサー・アブー・マルズーク副政治局長が率いる双方の交渉団は、「エジプトによる停戦努力を成功させパレスチナ内部対話を開催する」意向を強調する声明を昨朝発表した。パレスチナ内部対話の最初の会合は今月22日にカイロで始まる。ガザ地区の解任されたハマース政権のターヒル・アル=ヌーヌー報道官から配信された声明によれば、双方は「カイロで開催予定の対話協議を成功させる環境づくりのため、相互のメディア・キャンペーンを停止すること、相互のメンバー拘束問題を検討のうえ終わらせるための仕組みや方式を決定すること、ヨルダン川西岸地区とガザ地区で双方の傘下に属する諸団体の閉鎖の再検討」に合意し、「ヨルダン川西岸地区やガザ地区あるいは外国において、指導部レベルの会合を継続すること」でも合意したという。

 クレイウ氏は切れ間無く4時間続いた会合の成果について楽観的観測を示し、「会合は前向きな雰囲気の中で行われ、提起された課題の難しさにもかかわらず善き意志が見えた。これを基にして全ての問題を解決していくつもりだ」と述べた。

 また、パレスチナ立法議会のファタハ会派リーダーである交渉団メンバーのアッザーム・アル=アフマド氏は、パレスチナ自治政府のマフムード・アッバース大統領が今回の協議におけるファタハ代表のクラスを上げ、団長としてファタハ中央委員会メンバーであるナビール・シャアス氏に代えてクレイウ氏の任命を決定したことを公表した。アフマド氏はエジプト政府が交渉を後援しているハマース・イスラエル間の停戦合意について、「イスラエルは現在の状態が自らにとって非常に都合よいため、この停戦を望んでいないようだが、停戦合意の準備はほぼ整っており、数時間のうちに発表される見込みである」と述べた。また、ファタハ・ハマース間のメディア・キャンペーンの停止が「遅くとも48時間以内」に実行に移される、と説明した。

■  スレイマーン・エジプト情報局長官

 「アハラーム」紙のインタビューに珍しく応じたエジプト情報局のウマル・スライマーン長官は、エジプトはハマースから停戦に関する返答を受け取って来週にはイスラエルと協議する予定であり、捕虜交換も含めた協定の実現へ準備を進める、と述べた。

 スレイマーン長官は、「イスラエルはヨルダン川西岸地区からの永久追放を条件としてパレスチナ人捕虜複数の解放を提示したが、ハマースは解放された捕虜たちが自宅や収監前の居住地へ帰還するとの条件で譲らず、この申し出を断った」と明らかにした。

■ マシュアル・ハマース政治局長

【AFP】
 ハマースのハーリド・マシュアル政治局長がドーハに到着した。24時間の訪問中にカタール政府高官らとの協議を行う。

 マシュアル局長は、イスラエルとの停戦の調印が来週日曜日にカイロで行われるとエジプト当局から通知されたが、「後退が生じ」、現時点では停戦協定の調印の日取りは明確になっていないと明らかにした。

 しかしその後カタールの衛星放送局「アル=ジャジーラ」に対する談話でマシュアル局長は、停戦の宣言に障害があるとは言っていないと否定した。

 ガザ地区ではハマース幹部サラーフ・アル=バルダウィール氏が、イスラエルは期間を限定しない恒久的な停戦をエジプトに求めたが、「我々ハマースはこれを拒否しており、エジプトも拒否している」と述べた。同氏はこの障害が克服されつつあり、数時間内には完了すると述べた。

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( 翻訳者:森本詩子 )
( 記事ID:15803 )