イラクの民間団体、米軍攻撃による民間人犠牲者の補償を要請
2009年02月18日付 al-Sabah al-Jadid 紙

■ 治安協定発効以来、米軍の攻撃で15名が犠牲に

2009年02月18日付サバーフ・ジャディード紙(イラク)HP1面

【バグダード:本紙】

「憲法による権利と自由を見守る会」マルサド(観測所の意)の統計によれば、米軍によるイラク市民の権利侵害事例が増加している。昨日同会が発した声明によれば、2009年1月1日から2月15日までの間で、犠牲者が死亡したケースが15、負傷したケースが6件にのぼり、その多くが女性や子供も含む民間人である。事件発生の場所は、バグダード、ニネヴェ、カーディシーヤ、バービル、キルクーク、マイサーンに分散している。

イラクにおける人権侵害を観測するNPOマルサドは、2009年初めに調印され発効した米国との治安協定を機に、監視体制もなく無責任に民間人の血が流されるこのような米軍の攻撃を阻止したいと述べている。また、同協定の以下の条項に従い、これらの事件詳細が調査され、被害者が補償されることを要請している。

-米軍による全ての作戦はイラク政府の合意に基づきイラク側との完全な協調の下に実施されることを定めた第4条

-重犯罪につき、それが合意された範囲外の場合、第8条に従い、米軍構成員並びに米国籍民間人に対する司法権はイラクが行使することを定めた第12条

また、マルサドは、米軍に対し、1949年のジュネーブ協定1977年の付随書に従い如何なる場合にも非戦闘員を攻撃してはならず彼らを保護すべしと規定している国際法に則った責任体制を適用するよう呼びかけた。これら諸協定に含まれない状況下、特に内乱状態にあっても、民間人保護は人権法の原則である。

マルサドは、駐イラク国連ミッション並びに関係国際機関に対し、これらの事件に関心を向けるよう求め、イラク政府と米軍に対しては、そのような事件阻止のためあらゆる措置を取る事と被害者の補償を強く要請した。

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( 翻訳者:十倉桐子 )
( 記事ID:15833 )