【事件部】世間知らずな人間を見つけては、占いによって問題を解決できると主張し、彼らから莫大な金額を詐取していた詐欺師夫婦が、〔テヘラン州〕パークダシュト県の治安維持軍隊員らによって特定・逮捕された。
パークダシュト県治安維持軍司令官のゼンデシュー大佐はこう明らかにし、次のように語った。
「バフマン月中旬〔1月終わりから2月初め〕、ある女性がパークダシュト県捜査警察のもとを訪れ、告訴状を提出して、次のように訴えた。
先週、家に帰ろうと街の中心部でタクシーを拾いました。タクシーに乗っていると、運転手が日常の様々な問題について話し始めました。そうこうしているうちに、私も自分が抱える問題や不愉快な出来事について打ち明けました。すると若い運転手は、占いや祈祷書きによって問題を解決してくれる女性のことを知っていると言ってきました。
運転手は、占い師の女性が多くの人の問題を解決してきた様子を直に見てきたと証言し、私をだましたのです。彼はこの女性の連絡先の電話番号と銀行の口座番号が書かれた紙を私に渡し、20万トマーン〔約2万円〕をこの口座に振り込んだ上で電話連絡し、前もってアポを取って、振り込み領収書とともに女性占い師の家に行けば、この女性が私の問題を取り除いてくれるはずだと言ってきたのです。
被害女性は運転手の若者との会話の後、祈祷書きをしてくれるという女の元を訪れた。占い師の女は祈祷書きを手渡した上で、問題はそのうち解決するだろうと請け合った。しかしそのような約束は実現されなかった。被害女性は二人にだまされたことに気づき、警察に訴え出たというわけだ」。
こうして、偽造・詐欺撲滅課の捜査員らは捜査に着手、詐欺師の女性の発見・逮捕に全力を挙げた。ゼンデシュー大佐は「パークダシュト警察による捜査が開始されると、世間知らずの人々 ――その多くは若い女性だ―― が次々と警察を訪れ、容疑者2名に対して同様の訴えを提出してきた」と明らかにした。
事件との関連で、捜査員らは女占い師が使っていた銀行口座の所有者を発見、この人物を警察に連行して取り調べを行ったところ、この人物は口座の所有者であることを認めた上で、キャッシュカードは姉妹のサミーラーが使っていると証言した。
このような事実が明らかになると、捜査員らはすぐさまサミーラー（通称ロブナーニー）をパークダシュトにて逮捕した。彼女は警察の取り調べの中で、占い及び祈祷書きによる詐欺の容疑を認めた。
逮捕された詐欺師は、供述の中で次のように述べたという。「ガーセムと結婚した後、生活費を稼ぐために、占いや祈祷書きによって世間知らずな人たちをだますことを、先月思いつきました。夫がタクシーの運転手として乗客を乗せ、そこで私のことを紹介し、連絡先の番号や銀行の口座番号を教える、という方法です」。
サミーラー（30歳）はその上で、「お客たち ――その多くは若い人たちでした―― は20万トマーンから40万トマーンを支払い、私のところに来ました。私も祈祷書きなどを彼らに渡して、問題はじき解決されると請け合いました」と供述した。
パークダシュト警察の捜査員らによるその後の捜査で、この若い夫婦はある男性客を信用させて、パークダシュトにある他人の所有する土地を1800万トマーン〔約180万円〕で売却したことも明らかになった。
パークダシュト治安維持軍司令官のゼンデシュー大佐は最後に、「これまでのところ、13人の詐欺被害者が特定されている。逮捕された夫婦が占いや他人の土地の不正売却で詐取した金額は、194億8200万リヤール〔約1億9千万円〕に上る」と指摘している。
なお、容疑者らは現在拘置所に収監されており、取り調べは依然として続けられている。
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（ 翻訳者:斎藤正道 ）
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