停戦交渉が行き詰まる中、イスラエル側担当官がオルメルト政権の決定を非難、パレスチナ内部対話会議も延期に
2009年02月19日付 al-Quds al-Arabi 紙

■エジプト政府、停戦行き詰まりを受けてパレスチナ対話会議延期を宣言
■ギラード交渉担当官、「オルメルト首相はエジプトを侮辱し、イスラエルの安全を侵害している」と非難

2009年02月19日付クドゥス・アラビー紙(イギリス)HP1面

【ガザ:本紙、アシュラフ・アル=ハウル】

 ハマースとの長期停戦 に関し、エジプトとの交渉にあたっているイスラエルの大物担当官アモス・ギラード氏が、ハマースとの捕虜交換およびガザ地区停戦をめぐるエジプトとの交渉戦略を変更したとして、エフード・オルメルト首相を攻撃し、「オルメルト氏は、エジプトを侮辱し、イスラエル国家の安全を脅かしている」と批判した。

 昨日(18日)付イスラエルの『マアリブ』紙によると、ギラード氏は「オルメルト政権が何をしようとしているのか理解できない。エジプト人を侮辱したいのか? われわれはすでに彼らを侮辱した。正気の沙汰ではない。エジプトはこの地域における我々にとってほとんど唯一の同盟国であるというのに、何のためだ? オルメルト政権はイスラエル国家の安全を脅かしている」と述べた。

 オルメルトとその政権高官らに対するギラード氏の非難は、捕虜交換と長期停戦に関するエジプト側との連絡内容について、オルメルト氏と治安機関との間に大きな隔たりがあることを見せつけた。
 
 またギラード氏はエジプトとの交渉に関して、「エジプトは驚くほどの勇敢さで我々に行動の自由を認め、調停を試み、尽力し、これまでにない意欲を見せている」と述べた。

 さらに同氏は、「エジプトのホスニー・ムバーラク大統領は、原則を曲げることなく 勇敢に行動している。ラファハ通行所は閉鎖され、ハマースへの封鎖は続けられている。人口8500万人に達し、1948年にわが国を壊滅しかけ、1973年の第4次中東戦争ではわが国に打撃を与えたエジプトが、我々と共に 行動するなど、信じられないことだ。この地域で起こっていること、動乱が吹き荒れるその様を見てみるがいい。エジプトはムスリム同胞団も抱えている。ヨルダンやトルコを見てみるがいい。これらすべてを失いたいというのか?」と主張した。

 こうしたことから国防省の高官であるギラード氏は、長期停戦およびイスラエル・ガザ地区間の通行所開通に関する合意のためには 、2006年以来ハマースに拘束されているギラード・シャレット兵士をまず先に解放するべきだとする、オルメルト首相の決定を批判したのだ。昨日イスラエルは、ハマースがシャレット兵士の解放に同意するまでガザ地区への封鎖を解除しないと決定し、エジプトの停戦案を事実上、凍結している。

 一方、パレスチナ内部対話に関するエジプトの仲介に関しては、次の日曜日にカイロで開催が予定されていた対話会議は延期されることになったとエジプト高官が発表した。これはさらなる協議を行うためであると、エジプトの中東通信社(MENA)は報じている。

(後略)

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( 翻訳者:梅原春奈 )
( 記事ID:15875 )